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メール復活

Posted on 10月 13th, 2009 in 倉庫 by apj

 朝来てサーバの電源を入れたが、メールサーバにつながらない。

 サーバが見ているルーターに、サーバー側と普段使っているパソコンの両方からpingしても見えないので管理センターに相談。
 ルーターは見えてるということで、部屋周辺の接続機器確認→正常。
 部屋の壁コンセントが行ってる先のLEDは消えているので途中のケーブルがトラブルなんじゃ……と確認。
 サーバがつながっている部屋の中のHUBを確認→接続ランプ点灯している。ネットワークカードなどは動作しているしケーブルも大丈夫な模様。
 センターの人がきてくれて、部屋の中HUBにノートパソコンをつないで、ルーターも見えて、サーバーも見えていることを確認→なんでこれでつながらないのか???
 変だな、と思ってもう一回ログインを試みるとあっさり成功。

 HUBによっては最初にPINGしないと動かないものがあったりするらしい。また、ルーターへのpingは他のパソコンからはできない設定になっているとのこと(私の確認作業の意味Neeeee!)。
 pingくらい通るようにしておいてくれれば、部屋の中の機器の問題か、センターに言わなければ解決しない問題かの切り分けができるので、多忙なセンターの人の手をわずらわせることもないのになぁ……。

#次からはセンターに行く前にHUBをつつき回してから、ということだなぁ……。

今度は行政書士

Posted on 10月 12th, 2009 in 倉庫 by apj

 過払い金返還請求で、広告を出して多数の客集めをしている弁護士とクライアントの間でトラブルが増えているという話が出ていたが、今度は行政書士が不正に手を貸していた。Yahoo経由読売新聞の記事より。

行政書士が不正代行、偽装結婚や不法就労
10月11日3時5分配信 読売新聞
 警視庁が2006年以降に摘発した外国人による偽装結婚や不法就労事件のうち、少なくとも10件で、在留資格などの不正取得の手続きを行政書士が代行していたことがわかった。

 こうした行政書士の中には外国人向けの新聞などに広告を出して依頼主を募っているケースもあり、虚偽の申請をしても罰則がない入管難民法の盲点を悪用した疑いがある。

 同庁は、捜査上の証拠から「悪質」と裏付けられた1件について、行政書士を処分する権限を持つ東京都に通報して懲戒などの処分を求めており、他の9件も悪質と判断できれば情報を提供する方針。

 同庁幹部によると、同庁が昨年5月、韓国人の女(39)の在留資格を不正に取得するため日本人の男(35)との偽装結婚をあっせんしたとして韓国人ブローカーの男(39)を逮捕した際、このブローカーが女の結婚に必要な在留資格認定証明書の申請手続きを、首都圏の行政書士に依頼したと供述した。

 偽装結婚した男女も調べに対し、この行政書士について「虚偽の申請と知っていて手続きをした」と話したため、同庁は、行政書士の刑事責任を問えないか検討した。しかし、入管難民法には虚偽の申請行為に罰則規定がなく、同法のほう助容疑や犯人隠避容疑についても、行政書士が任意の事情聴取に対して「偽装とは知らなかった」と否定したため、立件を見送らざるを得なかったという。

 ほかにも今年7月、通訳と偽って中国の農民の在留資格を不正取得させたとして、同庁が日中のブローカー計6人を逮捕した事件で、在留資格の申請書を作成した別の行政書士事務所から、偽造の雇用契約書が見つかるなど、06年以降、計10の事件で行政書士が申請手続きを代行したことが確認された。不法滞在の外国人本人だけでなく、ブローカーからも申請を依頼されていた。

 10件にかかわった行政書士の多くが、新宿・歌舞伎町などで売られている中国人向けの新聞や韓国語のフリーペーパーに、「不法滞在者用特別在留手続き」「密入国者の結婚手続き」という広告を出していたことも判明。同庁は、こうした行政書士の宣伝行為も、不法就労や偽装結婚を助長しているとみている。

 このため同庁では、刑事責任を問えないケースでも、懲戒処分を求めるなど強い姿勢で臨む必要があると判断。東京都や東京入国管理局と合同で「偽装滞在に関与する行政書士対策連絡会議」を設置して都に情報を提供する一方、行政書士による不正行為の監視を強めている。

 警視庁の対応について、東京都行政書士会の幹部は「新聞やネットの疑わしい広告は問題視している。活動実態の把握に努め、不正を行った行政書士は会として厳しく対処したい」と話し、上部組織の日本行政書士会連合会も「講習会などで注意喚起するなど、信頼を維持できる取り組みに力を入れたい」としている。

 法律家をさがすのに、広告がまったくないとどうしていいかわからなくて不便だと思っていたのだけど、弁護士が広告を出しまくるのと同期して過払い金請求のトラブルが増え、行政書士の広告でも不法滞在と偽装結婚助長という方向に行くとは……。
 広告を出したから悪い奴が増えたわけではないのだろうけど、法律家が信用できなくなると普通の市民が困る。

 と思っていたら今度はJ-CASTニュースでこれだし。

ロースクールの志願者減 法相「大変大きな課題」
10月11日16時35分配信 J-CASTニュース
 多大な学費と時間をかけても合格率は3割以下――。新司法試験の門が年々狭くなっているのにあわせて、法科大学院の志願者も減少し、定員割れする大学が続出している。千葉景子法相も「大変大きな課題だ」と深刻さを認識しているようだ。

■募集40人に対して「志願者」36人

 2009年の新司法試験の合格者は9月10日に発表され、合格率が27.6%と初めて3割を切ったことが話題になった。それと前後して、各法科大学院では来年度新入生の選抜試験が行われたが、志願者が定員に満たない大学も出るなど「法科大学院離れ」が鮮明になっている。

 大阪府吹田市にキャンパスを構える大阪学院大。秋期入学試験で40人を募集したところ、志願者は36人しかいなかった。願書提出段階ですでに定員割れという惨憺たる状況だ。だからといって全員を合格させるわけにもいかず、募集の半分の20人を合格とした。

 神奈川大(神奈川県横浜市)も、30人の募集に対して志願者は59人。2倍を切る少なさだ。駒沢大(東京都世田谷区)は2010年度前期入試で40人を募集したが、志願者数は定員を1人だけ上回る41人で、合格者24人の定員割れとなった。

 これら志願者減少の背景には、司法試験での合格率の低迷がある。大学全体の合格率も27.6%と高くないのだが、大阪学院大5.6%、神奈川大6.7%、駒沢大10.0%と、不人気校は平均を大きく下回っている。

 早稲田大(東京都新宿区)の法科大学院(司法試験合格率32.6%)の2009年秋入試に合格した早稲田大法学部生は

  「早慶レベル以下のロースクールに行くことはまったく考えていなかった。司法試験の合格率の問題もあるが、合格後の就職でも実績のない大学は不利になるので」

と語る。

■「ロースクールは少子化対策にすぎなかった」

 「下位ロー」。法科大学院の学生やその受験生の間では、司法試験の実績がない大学をこう呼ぶ。下位のロースクール(法科大学院)という意味だ。合格率が5割を超す一橋大や東京大などのトップ校と、1割にも満たない大学の「人気格差」は歴然としている。このような事態に対して、ある不人気校の関係者は

  「法科大学院受験の前提となる適性試験の受験者数が年々減っていることからわかるように、全体の志願者のパイ自体が小さくなっている。当初は新司法試験で7、8割の合格者を出すという話だったのに、当初の設計と随分ずれてきてしまっている」

と試験の運用に問題があると指摘する。だが、東京都内の法科大学院を卒業した30代男性は、安易に法科大学院を設置した大学にも責任があると批判する。

  「下位ローのほとんどは少子化時代の新たな収益源としてロースクールを作った。新司法試験ではどんなに成績が悪くても合格させてもらえると思っていたのだろうが、現実はそんなに甘くない。私立だと数百万近い学費を取っている大学もあるが、新しい制度を使って金儲けをしたかっただけではないか」

 このような状況を受け、民主党内では法科大学院の総定員を削減するため、設置認可基準の見直しをすべきだという声も出ている。弁護士出身の千葉景子法相も10月9日の会見で「ロースクールの現状については承知している」としながら、次のように話した。

 「いますぐロースクールの方向性を転換するという段階ではないが、大変大きな課題なので、各ロースクールに教育内容を充実させるようお願いする必要があると認識している。ロースクールで学んでいる方にとっては切実な問題であることも十分承知している。そういうことを念頭におきながら、文科省のみなさんといろいろと相談させていただきたい」

 数がかぎられていてステイタスになっていた職業に対して、「人数増やせ、競争でよりよいサービス」とやった結果、その道を目指す学校に進んでも職につけない人の方がずっと多く、職についた後も過当競争でろくな未来がない、という状況を作ってしまい、「割に合わなくてあほらしいので行く人が減る」結果、業界全体がレベルダウンの方向に進んで、社会全体が損をする、というのと繰り返しているだけのような。大学院重点化とロースクルールが両方ともこのパターンをたどっている。
 その分野の人達に競争させればサービスが良くなる、というのは幻想で、競争の結果それが割に合わない商売になれば、その商売自体が他の商売との人材獲得競争に負けてしまい、その分野全体でサービス低下がもたらされる。この場合のサービスは顧客相手の意味だけじゃなくて、もっとひろく仕事の質といったものも含むのだけど。

 義務教育の発想で専門職業訓練をするからおかしなことになっているように見える。来た人に可能な限り知識なり技術なりを身に付けさせようという義務教育的発想と、適性が無ければ早々にふるい落とさないと逆に本人が不幸になる職業訓練はそもそも両立しないのではないか。博士課程もロースクールも本来の性質は専門職業の訓練学校であって、適性がなければ途中でどんどんふるい落とす運用をしないと成り立たなかったのに、定員の充足だの学位取得人数を確保せよだのという縛りをかけたことが問題なのでは。

週末はメールが届きません

Posted on 10月 9th, 2009 in 倉庫 by apj

 勤務先のキャンパスが連休中は設備点検のため停電になるので、ネットワーク関係の機器も全部止まっている。今日の18:00以降はメールの送受信不可。復旧は来週火曜日の午前9:00頃の予定。

【愚痴】ファイルメーカーMLにて

Posted on 10月 8th, 2009 in 倉庫 by apj

 8月上旬に、ファイルメーカーの関連ソフトの先行テスター募集の投稿があった(MLを全部読んでいるわけじゃないから、私は見落としていた)。このMLは、MLが宣伝利用であふれかえるようなことになったら意味をなさなくなるから、宣伝は控えるというほぼ暗黙のルールで運用されていた。問題の投稿は、(今日読んだ限りでは)専ら宣伝のみを目的とするようなものではなく、新製品の情報交換に使えるので、目くじらたててクレームをつけなければならないような内容ではないと私には思えた。

 ところが、テスター募集の投稿があった直後に、宣伝メールはけしからんだの、宣伝メールについての態度を示せだの言いだした人(yuki_ichigekiと名乗ってる)が沸いてでた。議論は数日で終わり、運営側が告知専用MLを別途作ることで、その場は解決した。

 しかし、どうやら問題がおさまっていなかったらしい。

 yuki_ichigekiと名乗る人物が、MLに、

またまた不毛な議論がありますね。
私は某○○さんの商業主義を疑問に感じただけで、
告知については全然追求してないのですが。

と言いだし、口論再開。続く投稿内容を見ると、関係者に直メールをしてやりとりしていたのがこじれた挙げ句に書かれた模様。

 しかし、変に伏せ字にしているために誰の話かすぐにはわからない。固有名詞があれば、メールボックスを検索して何の話かすぐにたどり着けるのだが、それすらできない。で、私は、次の内容を投げてみた。

普段はROMの天羽です。

 「不毛な議論」って一体何の話でしょうか。
 最近忙しくて、メールを全部読んでいなかったので、それらしいのを
改めて読んでみましたが、該当するような議論が見当たりません。

 某○○さんって一体どなたですか。
また、投稿なさったメールは、このMLの何番の議論に関係があるのですか。

 情報が不足しているため、何が何だかわかりません。

 他人に物を伝える時は、わかるようにきちんと情報を盛り込んで
もらえませんか。読む側に、推測させたり情報を探させたりする
労力をわざとにかけさせるメールというのは、それだけで他人の
仕事の邪魔をしていると思いますけど

。 いやまあ、愚痴を投稿する方がよっぽど不毛だと思ったから、こういうメールを書く気になった。

 そうしたら、メンバーの人から直メールが来た。メールの中で、話の発端について教えてくださった。このことには感謝している。しかし、その後の内容が……。

で、できましたら、MLでのこの件にかんしての発言は無しをお願いしたくおもいます。

と書いてあるのは、MLのS/N比を悪くすべきでないという意味だからまあ納得も理解もできる。しかし、それに続く、

ただし、yuki_ichigekiさんに賛同される場合は
その限りではございません。。。

を読んで実はかなりキレた。余計なことだろ、完全に。どういう意図で話題を続けるかは私の自由、それをどう受けとめるかは相手の自由だが、これは、「話題を続けるならyuki_ichigekiさんに賛同したとみなすぞ」とわざわざ事前に告知してきているとしか見えない。一体どういう意図でこんなことを書いたのか。これを書くことの実効性は何もない。とりあえず、この部分については、

↑なぜこんなことを、あなたが、私に向かって決めるんですか。
これって、書いたら賛同したこととみなす、という宣言ですよね。
ケンカ売ってるんですか?

 と返事しておいた。

 まあ、このあとのオーソドックス(?)な手順としては「こういう決めつけメールを送ってきた奴がおりました」とMLに投げるということになるのだろうが、それは「荒らしコース」を選んだ場合の話。そこまでやるつもりはないから、MLに書かずにこうしてblogに書く、と。

 書きながら思ったのだけど、最初にyuki_ichigekiさんが、宣伝OKかはっきりしろ、とやり出した時に、この手の内容を直メールした人が居たんじゃないか?つまり、メールを送った側は火消しをしているつもりが、実は油を注いでいた、というオチだったりして。誰がどういうやりとりをしているかを私が知る術がないから、あくまで推測なんだけど。

作用があるものは副作用もある

Posted on 10月 6th, 2009 in 倉庫 by apj

 asahi.comの記事より。

タイ製やせ薬服用後に死亡 個人輸入の女性 東大調査
2009年10月6日12時19分
 インターネットの個人輸入代行で購入したやせ薬を飲んだ女性が昨年、不整脈と意識障害で服用1週間で死亡したことが、東京大法医学教室などの調査でわかった。女性が購入したタイ製やせ薬には、利尿剤や国内未承認の食欲抑制剤が入っていたという。オランダの法医学の国際誌フォレンジック・サイエンス・インターナショナル電子版(10月30日号)に掲載された。

 女性は40代で東京在住。家族によると、以前からむくみがちで、医師に相談し利尿剤を飲んでいた。一方、年齢的に太りやすくなり、タイの病院が体格に合わせて出すという「ホスピタルダイエット」と呼ばれるやせ薬をインターネットで買った。だが、飲み始めて「だるい、食欲がない」と話し、8日目に自宅の居間で呼吸が減って意識が混濁。救急車で東大病院に運ばれたが、亡くなった。

 司法解剖などの結果、女性は筋肉を収縮させるカリウムやナトリウムの値が異常に低く、腎臓の一部が石灰化する「偽性バーター症候群」の特徴が見られた。究明に東大病院腎臓内科の協力を得た。

 研究グループは、残っていたやせ薬7種を分析。国内未承認の食欲抑制剤シブトラミンのほか、甲状腺ホルモン、女性が前から飲んでいた利尿剤フロセミドとは別の利尿剤ヒドロクロロチアジドなどを検出した。利尿剤の相互作用でカリウムやナトリウムの排出が急激に進んだ結果、電解質異常による不整脈や呼吸筋麻痺(まひ)、意識障害が誘発され、死亡したことがわかった。

 「利尿剤や甲状腺ホルモンは副作用があり、やせるために飲むことは勧められない」と東大法医学教室の吉田謙一教授。世界的な医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル・ケースリポートにも5月に報告した。

 「ホスピタルダイエット」は、健康被害の訴えが数年前から相次ぎ、厚生労働省がホームページで10件の被害例を示し、注意を促している。(編集委員・河原理子)

 後期の講義の準備中だが、多分またダイエット法についての質問が出てきたりすると思われるので、資料として保存。本当に「効果のある」(むしろ「作用のある?」)方法を使うと、副作用も半端ではないという例。
 みんながテレビや雑誌に出てくる「○○ダイエット」に励んでも、特に健康被害が頻発していないということは、軒並みほとんど効果無しという意味でもあるわけで……。
 地道なカロリー制限と運動以外に王道はない。

#さて、私も健康のために、夜遅くに物を食べるのをやめるという方法でダイエットするかorz。

本日の話題で気になったこと

Posted on 10月 4th, 2009 in 倉庫 by apj

 朝から、中川昭一元財務・金融担当相が亡くなったという話でニュースサイトが賑わっている。
夜になって、「行政解剖でも死因不詳」というのを読んだため、こっちのサイトを思い出して「Aiは?」とツッコミを入れてしまった。別のネタに毒されてるかな^^;)行政解剖の実態をよく知らないのだけど、やってるんだろうか……。

 ところで、最初に話をきいたときはAiという名前じゃなくてデジタルモルグと呼んでたような。もう十年以上前の話だけど。精密な全身画像をスパイラルCTなんかで撮ろうとしても、生きている人だと被曝が問題になるけど、亡くなった後ならX線はいくらでも浴びせ放題だから、質の良い画像を撮影できるという話。

雪氷研究会企画セッション「ムペンバ現象(湯と水凍結逆転現象)のサイエンス」

Posted on 10月 2nd, 2009 in 倉庫 by apj

 1年ぶりに表題通りのセッションがあったので顔を出すことにしました。新学期早々職場には研修届提出。札幌日帰りをやるつもりでいたら、仙台に飛ぶ便の最終でも間に合わないので今晩は札幌泊まりで、明日とっとと戻る予定。

 まとめをやっと書いたのでこちらからどうぞ

 みなさん忙しいらいしく、学会前の駆け込み実験をしたグループもあったようで(笑)。
 まあ、(金儲けが絡んでて)先陣争いをするようなテーマでもないし、のんびりじっくりやるしかないんじゃないかな。実験系が確立するまでにもっと粘らないといけないみたいだし。

 しかし……来年は新学期始まる前にやっちゃってほしい>雪氷学会。こんな日程でやるから、去年来ていた物理屋と物理化学屋が今年は居ない状態になったんじゃないの。

さて、効果はどの程度の濃度から現れるのか

Posted on 10月 1st, 2009 in 倉庫 by apj

 asahi.comの記事より。

水素入りの水はパーキンソン病防ぐ? マウス実験で効果
2009年9月29日20時28分

 水素を含んだ水を飲むとパーキンソン病などの予防や治療につながる可能性があることを、九州大やパナソニック電工の研究グループが発見した。脳の細胞の破壊が抑えられ、細胞を壊す原因とされる活性酸素も減ったことがマウスを使った実験で確認されたという。30日付の米科学誌プロスワンに論文を発表する。

 九大の野田百美(まみ)・准教授らのグループは、マウスに薬を投与して、パーキンソン病患者に見られる症状と同様に脳の神経細胞を破壊させる一方、前もって水素をわずかに含んだ水を飲ませた。

 その結果、水素を0.08ppm含んだ水を1週間飲ませたマウスでは、細胞死の進行が抑えられていたことを確認。薬の投与後から水を飲ませても同じ抑制効果が見られ、活性酸素の量も減っていたという。

 「ふだん飲まれている電解水に含まれている水素と同程度の濃度で効果があった」と研究にあたった同大院生の藤田慶大(きょうた)さん(25)。水素が細胞死を抑える仕組みはまだよくわかっていないが、研究グループは今後、臨床試験も実施して実用化を目指すという。(福島慎吾)

 溶存水素計を調べると、0.01mg/L(ppm)から測定できるものが普通に市販されている。
 普通の水道水で水素分子の溶存量がゼロかというとそんなことはない。ここ数年関わっている実験で、ごく微量の水素発生量を定量しなければならなくなって、実験前に水道水から作った純水(蒸留水や、純水製造装置で作ったもの)の水を加熱して溶存しているガスを抜くといったことをしているのだが、ガスクロで分析すると抜いたガスから水素のピークがばっちり出たりする。つまり、純水を作っているつもりでも脱気したガスの中にはガスクロにかかる程度は水素が含まれている(ただ、大抵の実験では微量なので影響しないから、純水を使う時に水素濃度を定量してから使うのは特殊な場合に限られる)。こうなると、どの程度の濃度なら影響が出るのかを押さえておかないと、知らずにたまたま水素濃度が高い水だったのを見落としていて結果がばらつきました、などということになりかねない。効果の水素濃度依存性を知りたいところ。この濃度以下なら効果は無いからまず安心、というのがどこか調べないと、あちこちで困ったことになりそうな……。多分、濃度依存くらいは調べてることを期待したいんだけど、新聞報道って一番知りたい情報をどうして入れてくれないのだろう。