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今回は初日に満員御礼です>科学リテラシー

Posted on 4月 16th, 2010 in 倉庫 by apj

 ちょっと忙しくて書き忘れてたので金曜日の日付で。

 前期の「科学リテラシー(化学A)」だけど、研究室のページにも書いたように、初日で満員御礼。時間割編成の都合で、同じコマに開講される同分野の科目が他に無かったため、私のところに受講希望者が集中した。部屋を最大のものに変更してもほぼ満席になった。306人入れる教室で、仮履修届を出した人が300人いた。今はまだいいけど、これから梅雨になったり暑くなったりすると、目一杯エアコンを入れたとしても居住環境は悪くなることが予想される。最初に割り当てられた部屋には160人くらいしか入れないので、140人まとめて却下すると影響が大きいので、できるだけ受け入れる方針にしたけど、もう多分物理的に無理。残り6席まで埋めろとか無茶言わないように。
 まだ仮履修なので、もうちょっと受講環境の良い他の科目を別のコマで取れそうな人は、そっちに移動していただけるとありがたい。部屋の満席状況は初日で皆さんわかったはずだし……。初日に来て仮履修届を出した人については履修する権利は保証するけど、仮履修届けを出さないで後から勝手にマークシートの方で履修届を出した人は、履修取消しにする(これは大学で決めているルールで、ガイダンスでもそのように説明を受けているはず)。普段は部屋に余裕があるから、後からの履修を認めることについては、私の担当分については厳しく却下はしていなかったのだけど、今回はそうも言っていられない状況なので。

 人混みで気分が悪くなった人は退出して休憩していいとか、その時となりの人は面倒がらずに席を立って道を開けてあげてほしいとか、体調の具合とかいろいろあるだろうから私がそれを咎めることはしないとか、言っとかないといけないなぁ。そうでないと、真ん中に座りたがる人が少なくなったりして、席取りで変に混雑したり揉めたりしそう。中央に空席があるのに立ち見てのも困るし。


ここからは旧ブログのコメントです。


by mimon at 2010-04-35 14:58:35
エアコン

人間の基礎代謝は、おおよそ100Wくらいですから、140人も集まると、それだけで14kWの冷房能力が必要で、さらに窓や壁から進入する熱も排出しようとすると、20kWくらいの冷房能力が必要ですね。
そのくらいになると、大型のを据えるより、小型の物をたくさん設置したほうが効率がよかったりします。


by apj at 2010-04-57 09:03:57
改修されたばっかりなんだけど

mimonさん、
 使う教室、昨年度に改修工事を終えたばっかりなんですけど、エアコンの設置とかは誰が考えたかよくわかりません。
 多分、3つとか4つとかついてる筈です。先週は、あまりの人数にびっくりしてしまって、エアコンの数まで確認してこなかったんですけど(汗)。


by mimon at 2010-04-52 06:24:52
運転台数

さすがに、それほどの大教室で、エアコン1台だけという無茶はしていないようで、安心しました。

apjさんの場合は、化学科にいても物理学者ですから、説明無用でしょうけれども、時々、事務方の人などが誤解して、「あまり暑くない日は、運転台数を減らしましょう。」とか言うのは、省エネの観点からは、逆行する行為です。
エアコンは、みんな同じ設定温度にして、全部運転するのが最も効率が良くなります。
いまどきのエアコンは、インバータ付きのコンプレッサで、冷媒の温度や圧力を制御していますから、各々なるべく低負荷で運転したほうが室外機・室内機とも冷媒と雰囲気の温度差が小さくなって、COPが高まります。
その結果、同じ熱量を排出するための合計電力は、小さくて済みます。
設備投資金額との兼ね合いもありますが、必要な容量よりも、多少余裕を持った台数を設置しておいたほうが後々の電気代が安くなるということです。


by Kosuke at 2010-04-34 19:04:34
Re:今回は初日に満員御礼です>科学リテラシー

トピずれになりますが、ご勘弁を。
mimonさん、その説明はちょっと・・・。効率に関してはまるっきり逆ですよ。私も建築家とはいえ設備屋ではないので、説明に不正確な点があるかもしれないですが。

> いまどきのエアコンは、インバータ付きのコンプレッサで、冷媒の温度や圧力を制御していますから、
> 各々なるべく低負荷で運転したほうが室外機・室内機とも冷媒と雰囲気の温度差が小さくなって、
> COPが高まります。
(説明のために改行を加えています)

第1段落=正しい
第2段落=正しい
第3段落=誤り
冷媒と雰囲気の温度差が小さい方が一般的には効率は低下するのでは?

正しい説明は、
「いまどきのエアコンはインバータ付きのコンプレッサで、冷媒の温度や圧力を制御していますから、低負荷で運転し室外機・室内機とも冷媒と雰囲気の温度差が小さくなっても、COPの低下は最小限に抑えられる。」
でしょう。

インバーター制御により低負荷運転が可能だとは言え、やはり高負荷運転の方が効率は高いわけで、部屋全体の負荷が小さくなってきたら運転台数を減らして、それぞれの機器をできるだけ高負荷運転させた方が効率は高くなり、わずかですが省エネにはなります。
一方室内環境的には、運転機器を分散した方が室内の温度分布が一様になり快適性は向上しますので、むやみにエアコンの運転台数を減らすのは好ましくありません。

低負荷時の台数制御という手法はごく普通に行われていますので、省エネの観点からは事務方の言っていることは基本的には間違ってはいないのですが(とはいえ、最近の機器はインバーター化によりさほど気にしなくても良いのだが)、それではエアコンの直近にいる人は寒くてしょうがないという事態が発生してしまうので、お勧めはできないということです。

また、高負荷運転を続けると回転機構の寿命はどうしても短くなりますから、機器の更新に掛かる費用まで含めたライフサイクルコストの観点からは、機器台数を増やして低負荷運転にいしておいた方が長い目で見てコストダウンにはなるかもしれません。数値的な根拠は簡単には算出できませんが。


by mimon at 2010-04-12 08:11:12
実機は意外に難しい。

Kosukeさん、ご指摘ありがとうございます。

私が考えていましたのは、エアコンの主役のコンプレッサ・熱交換器・膨張弁のあたりばかりでした。
まず、せっかくエアコンで冷房しているのですから、室温のほうが外気温より低いはずです。そうして、冷房運転ですと、室内機がエバポレータ(蒸発)で熱を奪い、室外機がコンデンサ(凝縮)で放熱します。
負荷が上がって、それぞれ雰囲気温度からの乖離が大きくなりますと、エバポレータの冷媒温度が下がり、コンデンサの冷媒温度が上がりますから、T-S線図で言うと、上下に大きくなったサイクルを左回りしますので、熱量に対して、大きな動力が必要になるはずです。
ところが、これは、「理論COP」と呼ばれるもので、実際に測定すると、逆転するそうです。熊本県立大学で測定された報文(.pdfファイル)に直リンします。
http://www.pu-kumamoto.ac.jp/~hosoi/22.pdf
どこが違うかというと、上記リンク先から引用しますと、
> COPは負
> 荷率100%近傍で最大となり、それ以下では低下する。
> これは、低負荷時には冷房能力に対するファンやポンプ
> 等のベース消費電力の割合が増加し、またそれら機器の
> 発熱が冷房能力を減少させるためである。
ということだそうです。
言いかたを変えますと、最近の高効率なエアコンは、大きな熱交換器を積んでいますから、負荷の上昇による理論COPの低下が小さく、私が考慮していなかった、補機の方が効いてくると、いえます。

いずれにしても、学生さんには(もちろん講師も)、快適な環境で勉強の能率が上がることが何よりの恩返しかと存じます。


by apj at 2010-04-50 07:27:50
初日やってみた結果は……

 最初、換気のスイッチを見つけ損ねて入れるのが遅れたら、部屋の空気が悪いというコメントが来ました。
 部屋は暑いくらいで、エアコンの必要は無いというか、むしろ冷房が必要かも、と思いました。お花見するにも外が寒いよねぇ、なんて会話があちこちでかわされているというのに……。


by いろものさんの近所 at 2010-05-34 03:13:34
こんなのがありました

http://www.asahi.com/edu/news/TKY201005200402.html

asahi.com で偶然見付けたのですが
もう調査をはじめてたりします?


by mimon at 2010-05-51 06:57:51
排水基準

いろものさんの近所さん、
本家のページに直リンさせます。
http://www.educ.yonezawa.yamagata.jp/atago/gyoji/4_5gatsu/em2/em2.html
> その前に、培養した液体のpHを測定しました。結果は3.2ということで、(中略)
> 約300リットルをプールに投入しました。
pH3.2ということは、乳酸菌培養液ですね。それを300Lも排水しても大丈夫なのでしょうか。
米沢市下水道条例によりますと、
http://www.city.yonezawa.yamagata.jp/reiki/reiki_honbun/m7000525001.html#j11_k1_g36
pH5~9,BOD<600mg/Lになっています。
いくらプールの水で薄めたからと言って、下水処理場の処理能力には、限界がありますから、本当にその「汚水」が最上川に流入しないか、心配です。


by apj at 2010-05-54 00:41:54
情報ありがとうございます

EM菌については、善意が環境汚染をもたらす例ということで、特に教育学部の学生向けということで、明日簡単にコメントします。要注意な話がある、ということで……。この話をとりあげると、講義の本筋からは離れるために、あまり言及してこなかったのですけれど。