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ゴネ得を認めているだけのような……

Posted on 2月 28th, 2009 in 倉庫 by apj

【追記と注意】
 この件についての考察を進めた結果、このエントリーを書いた時とは異なった理解に至ったので、こちらを見て欲しい。

 Yahoo経由時事通信の記事より。

授業料未納「卒業証書渡さない」=県立高8校、家庭に通知-島根
2月27日20時11分配信 時事通信

 島根県の県立高校8校が「授業料を滞納している生徒には卒業証書を渡さない」と各家庭に通告していたことが27日、分かった。一部保護者から苦情が届き、県教委はすべての県立高校に対し、滞納を理由とする証書授与の見送りなどをしないよう通知した。
 県高校教育課によると、安来高校(安来市)では1月、すべての3年生約150人の家庭に「全額納入しない場合は卒業証書を渡せない」とする内容の文書を配布した。その後、全生徒が授業料を全額納入し、3月1日の卒業式では全員に卒業証書が渡される。同校は昨年1月にも同じような文書を配っていた。
 ほかの7校では、2004年度からこれまで計65人の家庭に対し口頭や文書で授業料を催促。このうち06年度に1人が卒業式当日に証書をもらえず、3月中に受け取っていた。滞納期間は長い場合で2年近くあったという。

 

 保護者からの苦情というが、授業料をきちんと支払えば問題は生じないはず。記事中の保護者は、金を払わずゴネた方が得という価値観を持っているように見えるし、それを行政が容認しているようにも見える。
 経済的理由で支払が困難なことがはっきりしているのであれば、奨学金を出すとか授業料免除の対象にするといった形で解決するべきであって、それでも滞納する場合には卒業証書を出さないという形にしないとまずい。
 県の状況が報道だけでははっきりしないのだが、もし、支援をさぼっておいて払わない人にも卒業証書を渡すというのであれば行政の怠慢だし、怠慢のまま済ませるために滞納していても卒業諸処を出せと現場に指示したのだとしたら、やっぱり間違っている。「払うものを払わなくても対価を受け取れる」ということを学習させる結果になりそうで、良いこととは思えない。

 本当に支援が必要な人にはサポートをする代わりに、ゴネ得は認めない、ということにしないと、モラルハザードが激しくなる一方なんじゃないかなぁ……。


ここからは旧ブログのコメントです。


by 憂鬱亭 at 2009-03-48 09:46:48
「親のプライド」にも理解を示しては?

 どう見ても授業料免除を受けることができるのに、申請しない保護者を何人も見てきました。
 その保護者の理由のほとんどは、「お役所の世話になるほど落ちぶれてはいないから」と表現できるような心情でした。
 たとえば、夫のDVと借金に耐えて子育てした来た女性が、何とか夫との離別(死別も含む)にこぎつけたのですが、借金をそのまま背負わされ、少ない収入の中から返済をしながら子育てをしている、というような例。
 保護者にとっては、役所の金の世話にならずにがんばっている、というのが、生きる証のように思えている場合があります。こういうプライドを「くだらない」と切り捨てることは私はできませんし、行政にも切り捨ててほしくはありません。
 こんな場合は、高校側が説得しても、なかなか授業料免除の申請に応じてはもらえません。また、派遣切りの例などでも有名になりましたが、行政は生活保護の申請をできれば受け付けたくないのです。
 子育てや教育と、お金の問題が絡むと、単純化してはいけない事例に多くぶつかります。だから、授業料納入と入学・卒業の問題は、デリケートな問題であるわけです。


by 摂津国人 at 2009-03-27 10:05:27
たぶん

>授業料を滞納している生徒

 ここで問題は授業料を払わずゴネている(?)のが「保護者」なのに、卒業証書をもらえず不利益をこうむるのは、普通は未成年である「生徒」なので、そこが公的な教育機関として良いのかという話じゃないですか?。
 ”子供に親は選べない”って事もありますし。

>全生徒が授業料を全額納入し

 もしかしたら効果は有ったのかもしれませんが・・・。


by apj at 2009-03-18 10:14:18
それはプライドではなくて……

憂鬱邸さん、

 他人の借金を背負う例は、プライドの問題ではなくて、間違った何かに依存しているだけではないでしょうか。

>こういうプライドを「くだらない」と切り捨てることは私はできませんし、行政にも切り捨ててほしくはありません。

 別に、支払に応じた対応をするのは、切り捨てではないと思いますが。むしろ変な「お情け」の方がよっぽどプライドを傷つけるのでは。

>行政は生活保護の申請をできれば受け付けたくないのです。

 こっちは行政の怠慢なので、しっかり監視しないとまずいですよね。

> 子育てや教育と、お金の問題が絡むと、単純化してはいけない事例に多くぶつかります。だから、授業料納入と入学・卒業の問題は、デリケートな問題であるわけです。

 私は、意識的に単純化すべき時期にきていると考えています。教育現場の特殊事情をなるべく排除しないと、秩序が保たれないだろうというのが私の問題意識です。
 まだうまく言えないのですが、ちょっと前のハラスメント問題のところで書いたことと関連します。「法化社会」は既に教育現場に持ち込まれていて、権利の主張で学校や教師に向かって要求を通そうとする人達が居るわけですし、実際に通ってます。この状況で、曖昧な配慮などを残すしくみにしたら、教育現場は蹂躙される一方です。他人の権利の制限とバランスするのは別の他人の権利、という形でバランスをとるように、一貫性を持たせないともうどうにもならないでしょう。
 一方で個人の権利を主張しながら、一方で権利義務関係には無い「配慮」を要求するのは、ある意味暴力的だと思います。


by apj at 2009-03-24 10:25:24
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

摂津国人さん、

>ここで問題は授業料を払わずゴネている(?)のが「保護者」なのに、卒業証書をもらえず不利益をこうむるのは、普通は未成年である「生徒」なので、そこが公的な教育機関として良いのかという話じゃないですか?

 高校は義務教育ではありません。
 行く行かないを選ぶのはあくまでも家庭の側ですし、実質的には授業料を払う親でしょうね。

 きちんと授業料を払った人と、払ってない人の扱いを同じにするというのは、払った人に対する差別だと思いますよ。払って無くても一部の人は同じサービスをしてもらえる、つまりその人達だけ理由もなく特別扱いだということを意味しますから。


by 憂鬱亭 at 2009-03-53 10:55:53
私は単純化には賛成できません。

 摂津国人さんがおっしゃるように、支払うのは保護者で、不利益を受けるのが生徒、というねじれが問題の根本の一つですね。

 単純に「保護者は支払わないから子どもは不利益を受けろ」というのは、県の役人が言っているように、「配慮を欠いている」と思います。
 数年来言われてきていることなのですが、この国では、義務教育までと、そこから先とで、かかる経費の差が大きすぎるのです。そのため、保護者が誰であるかによって、高校進学の機会や、高校選択の機会が、大きく変わります。
 今回の授業料の話のポイントは、adjさんのように権利の制限とバランスの問題と見ることもできるのでしょうが、むしろ日本の高校教育における経済的サポートのあり方の問題ではないかと思います。

 たぶん、今年は入学後に金が続かなくなって高校や大学を辞める学生が増えるでしょうから。


by 摂津国人 at 2009-03-13 21:45:13
単純化は基本的に賛成ですが・・・

apjさん
>きちんと授業料を払った人と、払ってない人の扱いを同じにする

 私はそんな事は書いていません。
 まず保護者から強制的にでも徴収すべきであって生徒はむしろ被害者で、地方公共団体は基本的には「児童」を護るべき立場であるという事です。


by apj at 2009-03-15 23:08:15
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

>まず保護者から強制的にでも徴収すべきであって

 その通りです。

>「児童」を護るべき立場であるという事です。

 それの立場を主張すると、払ってない人と払った人を同じに扱うという結果が生じているだろうというのが私の指摘ですが、どこに違いが生じるんですか?

 一方、卒業証書を渡さない、という対応をしたら、65人のうち64人まではちゃんと支払ったという実績もある。


by 一言 at 2009-03-48 00:11:48
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

> 単純に「保護者は支払わないから子どもは不利益を受けろ」というのは、県の役人が言っているように、「配慮を欠いている」と思います。

そうかなぁ。親に金がなければ高校や大学も遊園地も海外旅行も行くことができない。当たり前じゃないですか。


by apj at 2009-03-58 00:33:58
法治社会としてのルールを全うさせるべき

一言 さん、

>そうかなぁ。親に金がなければ高校や大学も遊園地も海外旅行も行くことができない。当たり前じゃないですか。

 契約通りに金を払わなければ、対価を受け取れないのは当然ですよね。
 ただ、社会的格差を固定する方向に行くのもまずいから、奨学金や授業料免除といった政策的な手当てをするわけで。

 教育的配慮やら児童を護れという、法的根拠のないきれい事を言って、本来守られるべき基本的なルールに横やりを入れる人達の存在の方が、教育を破壊する方向に効きそうに思います。


by 摂津国人 at 2009-03-33 02:16:33
だから

>払ってない人と払った人

 払ってない人(保護者)と払った人(保護者)であって、保護者=生徒ではないし、保護者=親じゃないこともあるし、親だからといって子供と利害が一致してるとも限らないわけです。

>それの立場を主張すると

 この「立場」はどこかの政治団体の立場ではなく勿論私の立場でもありません。
 ”児童の権利に関する条約”に基づく日本政府の立場です。
28条より
>1 締約国は、教育についての児童の権利を認めるものとし、この権利を漸進的にかつ機会の平等を基礎として達成するため、特に、
>(b) 種々の形態の中等教育(一般教育及び職業教育を含む。)の発展を奨励し、すべての児童に対し、これらの中等教育が利用可能であり、かつ、これらを利用する機会が与えられるものとし、例えば、無償教育の導入、必要な場合における財政的援助の提供のような適当な措置をとる。
 (c) すべての適当な方法により、能力に応じ、すべての者に対して高等教育を利用する機会が与えられるものとする。
>(e) 定期的な登校及び中途退学率の減少を奨励するための措置をとる。http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/zenbun.html
とあるので県の役人は、「配慮を欠いている」と言ったわけです。

 高校が伝えるべきだったのは「授業料を滞納している生徒には卒業証書を渡さない」では無く「授業料を滞納している保護者は法的手段に訴える」です。


by apj at 2009-03-47 04:20:47
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

摂津国人さん、

(b),(c)はすでに、公立高校ということで予算的な補助をしている。
受験も公平に行っているだろうから問題なし
(e)も無問題。卒業までの授業は普通に行われていて、「期限までに支払わなければ退学させるぞ」ではなく「期限までに支払わないと(その期限内に行われる)卒業式でを卒業証書を渡さない」であり、後から遅れて支払っても卒業証書はもらえるようになっていたようですし。

 配慮を特に欠いてもいないのに欠いていると、県の役人が誤認したように見えます。
 条約だって無限の配慮を要求しているわけではないし、タダにせよと言ってるわけでもないですよね。

> 高校が伝えるべきだったのは「授業料を滞納している生徒には卒業証書を渡さない」では無く「授業料を滞納している保護者は法的手段に訴える」です。

 この部分には全く同意します。高校側がどんどん少額訴訟をやって差し押さえるようになればそれで済みそうです。


by miya-h at 2009-03-50 06:43:50
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

 私の知る範囲では、高等学校事務の重要な仕事に授業料の徴収があり、納期の遅れについては事務と教員共同で、逐次対応しますので、未納のまま卒業式が近づくというのは、学校にとっては大事件なのです。それだけに、このような事態になった学校の状況を想像するにつけ、(特に学級担任と生徒の心情を考えると)胸が痛みます。
 学校が保護者ときちんとコミュニケーションをとる必要というのは昨今ますます高まっているような気がしています。かつては無条件で信用してもらえた学校ですが、今はそうではありません。どのような条件の下でなら信用してもらえるのか、と極端にはそのレベルまで両者の間に了解が必要なのかも知れません。
 本来補完し合いながら生徒を教育するはずの両者の間で、肝心の生徒に不利益になる齟齬が生じるのは悲しいことです。
 この話にも気配が感じられます。勘違いなら良いのですが。


by apj at 2009-03-14 07:45:14
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

miya-hさん、

>かつては無条件で信用してもらえた学校ですが、今はそうではありません。どのような条件の下でなら信用してもらえるのか、と極端にはそのレベルまで両者の間に了解が必要なのかも知れません。

 保護者側が学校を無条件に信用しないのと同様に、学校だって「未納」の時点で保護者を信用することはできないわけです。債務不履行になってるわけですから。
 無条件で信用するということができない間柄であれば、契約で縛っておいて、法治国家的対応をするしかないと思います。それができないようなクレームや横やりを入れる人が出てきている時点で、既に秩序は崩壊しているのではないでしょうか。


by ずぶしろ at 2009-03-36 08:20:36
生徒に納入義務があります

高校の場合、授業料の納入義務者は生徒になっているはずです。
実態として大多数は保護者が支払っていますが、
働いて自力で定時制高校に通っている生徒もいます。
このことを勘違いなさる方が多く、議論を複雑にしているように思われます。


by apj at 2009-03-32 08:39:32
そうすると契約のあり方としては……

ずぶしろさん、

>高校の場合、授業料の納入義務者は生徒になっているはずです。

 契約書を見たことがないのですが、未成年ですから、法定代理人(通常は親権者)の同意も同時に得るという形でしょうね。

 すると、条約にも違反しない契約のあり方としては、

・期限までに払わないととりあえず卒業が保留になる。
・期限が来てしまった場合は、経済状況等を考慮し、一定期間の猶予を設け、その間に支払えばさかのぼって卒業を認める(つまり通って勉強したことがいきなりチャラになったりしない)。
・支払の方法も分割払いなど、柔軟なやり方を認める。
・学歴で職種が限られる社会の現状を考慮し、支払う意思があって、働いて支払うなどという準備をしている場合は、卒業見込みの証明書などを発行し、就ける職を増やすように社会の側でも合意する。

といった感じでしょうか。


by 憂鬱亭 at 2009-03-42 10:11:42
どこかに誤認があるように思います。

>ずぶしろさん

>高校の場合、授業料の納入義務者は生徒になっているはずです。

 私(現役高校教員です)が知る限り、なっていませんよ。
 高校入学段階では、15歳が多いわけですし、基本的には経済的能力がないのが普通ですから。

 どこか、勘違いなさってませんか?


by うさぎ林檎 at 2009-03-19 20:45:19
高等学校の授業料等徴収条例施行規則を調べてみました

憂鬱亭さんが、どちらの高校の教員の方なのかわからないので断定は出来ませんが、幾つかの町立、県立高校を調べた限りでは主たる契約者(申請者)は生徒でした。
不払いが生じたときに、保護者・保証人に報告する必要がありますが、あくまで学校との契約は生徒が主体のようです。
もちろん保護者等の家庭の経済状態に困難が生じた場合は、それに対する救済処置も明記されていました。

現在目にしているだけの情報では、今回の生徒が経済弱者かどうかの判断は私にはできません。ですが今回の場合、高校教育が義務教育ではないことを、皆が整理して考える必要があるのではないでしょうか。


by 遠藤 at 2009-03-16 04:51:16
北海道での取り扱いについて

私は北海道にて生活保護のケースワーカーをやっております。
昨年夏頃、道立高校の事務より連絡があって、保護受給者が昨年度卒業したのに未納なので協力願いたいとのことでした。
話を聞くと、平成20年度より道立高校では未納者については卒業を認めない取り扱いとなったが、19年度までは、規定がなかったため分納誓約書の提出のみで卒業を認めていたそうで。
ま、事前にルール作っておけばこじれにくくなるはずですな。
以下のとおり北海道でルールを明示してるので、参考にしてください。
ttp://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/kki/minoutaisaku.htm


by ずぶしろ at 2009-03-39 06:22:39
ことば不足でした

ことば不足でした

「勘違いなさる方が多い」といいながら、ことばが足りなかったようで反省しています。
なるべく本題からそれないように述べたいと思います。

まず、「契約」についてですが、私立学校の場合はともかく公立の場合はまず契約という考えが希薄です。
本題が県立高校の事例だったので、「高校の場合」と言ったのは、義務教育である小中学校でなくて、という趣旨で公立の高等学校が念頭にありました。
公立高校の場合、授業料は条例で定めなければなりませんが、生徒の年齢に制限がない以上、原則として授業料の納入義務者は生徒本人と定めざるを得ません。
保護者は連帯して納入義務を負うことになりますが、生徒本人の納入義務を外すには条例等にその旨の規定を設ける必要があります。
詳しく調べていませんが、そこまで細かい規定をしているところはないようです。
というより、未成年であっても自分で働いて自分で授業料を納めている者もいるわけなので、条例の定めとしては生徒本人の納入義務を外すことはできないのだろうと思われます。
公立高校の場合、契約的な行為としては、校長が生徒本人に対して入学を許可する、くらいのことしかしていないと思います。
私立学校の場合でしたら、保護者を契約の当事者とすることがあり得ると思います。
ということで、生徒が未成年であっても授業料の滞納について、制度上、当事者ではないとは言えないだろうということを、念のため申しあげたかったのです。

それと、遠藤さんがおっしゃるように道立高校では未納者については卒業を認めないというように最近改めたようですが、他の教育委員会では、そこまでの規定はまだしていないので、卒業証書を渡さないというのは行き過ぎだと言わざるを得ないのでしょう。
結果として、ごね得が許されるということを示すのはあまりいい教育ではないと私も思います。


by 摂津国人 at 2009-03-11 09:10:11
補足

 支払い能力が無い児童であっても生徒には納入義務があるなら「授業料を滞納している保護者は法的手段に訴える」では無く「授業料を滞納している生徒の保護者は法的手段に訴える」だとどうでしょう。
 保護者が連帯保証人だと簡単な話だと思いますが・・・。
 未成年の生徒は訴訟能力が認められていないので結局どれでも訴訟対象は保護者になり、変わらないと思いますが。
 
 想定しているのは支払い能力の有る”ゴネ”保護者なので、奨学金とか支払いの免除や猶予がまず認められない場合です。
 経済弱者や虐待児童には当然それなりの救済手段が用意されるべきだと考えます。

 一応公正な司法より生徒を担保に取るほうが荒っぽい気がします。

 どうして一般社会の法律が有るのにまずそれを使わないのかがわからないのは私の頭が悪いのでしょう。


by apj at 2009-03-37 11:15:37
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

> 一応公正な司法より生徒を担保に取るほうが荒っぽい気がします。
> どうして一般社会の法律が有るのにまずそれを使わないのかがわからないのは私の頭が悪いのでしょう。

 それは逆ではないでしょうか。

 継続的に取引をする場合を考えて下さい。予約した商品があって、定期的な入金に応じて定期的に引き渡す約束だったところ、途中までしか入金されなかったから、商品の一部を引き渡し、残りは入金待ち、って状態は別におかしくないです。
 「入金が遅れたら提訴して金を回収するぞ」よりも「入金が遅れた場合は一定期間残りの商品を引き渡さないまま待って、何回か請求もしてみて、それでダメなら訴訟をやって支払わせる」の方がより穏当な解決策だと思います。


by 摂津国人 at 2009-03-46 22:39:46
頭が悪くてすみません

apjさん
 商品についてはおっしゃる通りであって間違いありません。

 ですが疑問なのは憂鬱亭さんにまとめて頂いた。
>支払うのは保護者で、不利益を受けるのが生徒、というねじれが問題<
 の部分であって児童に対する教育は条約によって公立学校においては一般の商品とはある程度異なっているはずです。

 勿論支払い能力のある”ゴネ”保護者が、金を払うぐらいならやめさせると言い出すのはおかしいとは思いません。その結果退学せざるを得ない事もあるでしょう。

 それは別に児童虐待であるかどうかを考えるべきです。
 児童が自力で(サポートをうけつつ)就学を続ける方法も用意すべきでしょう。

 ですが公立学校が行うべき手続きとしては児童に配慮しつつ回収が充分可能な手段を選ばない理由が理解できないのです。

>何回か請求もしてみて、それでダメなら
 これは当たり前のことなので書いていないだけで、すぐに提訴しろとは述べていないつもりです。


by エンパワー at 2009-03-20 02:33:20
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

 >それは別に児童虐待であるかどうかを考えるべきです。
 >児童が自力で(サポートをうけつつ)就学を続ける方法も用意すべきでしょう。

それは義務教育での話で、
高校の話と結びつけるには
無理があるんじゃないですか?


by 田部勝也 at 2009-03-53 08:38:53
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

>摂津国人さん「ですが公立学校が行うべき手続きとしては児童に配慮しつつ回収が充分可能な手段を選ばない理由が理解できないのです」

私も同感です。
普通のまともな教員ならば、自分の教え子が当該状況に置かれていたら、いろいろな奨学金制度や分納による回収などを考えるはずです(該当家庭はそれらの制度を知らない事が多いので、教員が窓口になっていろいろしたりするわけです。それは教員の仕事なのか?……という疑問はとりあえず置いておいて)。
もしもゴネ得保護者がいたのならば、その保護者だけに「払わないと卒業証書を出さない」と通知すれば済む話です。全部の家庭に一律に「払わないと卒業証書を出さない」と通知してしまうのは、どう考えても上手くないわけです――どう上手くないのか上手く説明できないのですけど、少なくともこれまで築き上げてきた学校-子ども-保護者-地域の間のそれぞれのウェットな信頼関係はぎこちなくなりそうな気がします。これでは、現場の教員としては、とても仕事がやりづらいのは間違いない。教育は(少なくとも一般に学校に求められているであろう事は)学校だけでは出来ませんから。

件の島根県で何が起きていたのかは分かりませんが、apjさんが「独り言」エントリ(↓)
http://www.cml-office.org/archive/1236011949285.html
に書かれた「教師を尊敬の対象にしないことにし、権威も認めないことにしたら、パターナリズムを発揮していい根拠は法なり規則なりに求める以外に無くなる→結局法治主義的ルールで教育を縛るしかなくなる」という事態が徹底されていたのか、別エントリへの酔うぞさんのコメント(↓)
http://www.cml-office.org/archive/1235922929284.html#com8
のような事態があったのか――などと邪推されても致し方ないだろうなぁ……とは感じます。


by 摂津国人 at 2009-03-48 09:11:48
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

エンパワーさん
 18歳までは法律的には児童で、保護者(実の親とは限らない)が支払い能力があるにもかかわらず悪意を持って児童の就学を拒否したり、法定代理人としての責任を放棄したりすれば児童虐待か「どうか考え」てもそれほどおかしくは無いと思いますけども。

 サポートと言うのは自分で働きながらでも定時制高校や通信制高校で就学したり、自分名義で教育ローンを組んだりすることで、それに社会が手助けをするのはそんなに無理でしょうか。


by apj at 2009-03-35 09:49:35
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

> 18歳までは法律的には児童で、保護者(実の親とは限らない)が支払い能力があるにもかかわらず悪意を持って児童の就学を拒否したり、法定代理人としての責任を放棄したりすれば児童虐待か「どうか考え」てもそれほどおかしくは無いと思いますけども。

 「児童虐待の防止等に関する法律」によると、

(児童虐待の定義)
第二条 この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。
 一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
 二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
 三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。
 四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

と定義されていますから、高校の授業料の支払いをゴネて怠るだけならば、あてはまらないのでは。
 子どもに対して虐待に当たるような極端なゴネ方をすれば、「払わなかった事」ではなく「ゴネた結果著しい心理的外傷を与えた」ことで虐待と判定される可能性ならありそうですが。


by 摂津国人 at 2009-03-40 10:34:40
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

田部勝也さん
 コメント有難うございます。
 
apjさん
 上の元々の文章は「それは」からはじまっていて「退学」させた場合の事を述べたつもりです。
 四の「著しく拒絶的な対応」が当てはまるかと思ったのですが。

 

 


by zorori at 2009-03-06 16:15:06
質問

私も若い方とは言えないのでよくわからなくなっているのですが、今の時代感覚として、経済的事情で高校進学をあきらめるというのは異常なことなのでしょうか?

親が金がもったいないから子供に学費を出さないというのは児童虐待に当たるのでしょうか?なお、進学させないというのではありません。進学したいなら自分で何とかしろというだけで、金を出さないというだけです。


by 摂津国人 at 2009-03-55 19:52:55
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

zororiさん
 私のコメントに対するご意見でしょうか?。

>経済的事情で高校進学をあきらめると
 は「支払い能力のある”ゴネ”保護者」と限定したつもりです。

>進学させないというのではありません。進学したいなら自分で何とかしろというだけで
 これは元々進学を認めていながら途中で退学させた場合の話です。

 たとえば配偶者の連れ子に対して実の親の死後、支払い能力があるにもかかわらず退学をさせ、自力進学に必要な書類などの署名を拒否し、他の大人の児童への助力を拒否した場合には児童虐待と考えられませんか?。
 そこから始めないと外部からの介入が出来ない場面も有りえると思います。
 
 ”児童の権利に関する条約”の27条に
>2 父母又は児童について責任を有する他の者は、自己の能力及び資力の範囲内で、児童の発達に必要な生活条件を確保することについての第一義的な責任を有する。<
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/zenbun.html
 と有るのでそれが行われていない可能性がある場合、社会から家庭への介入はそれ程おかしく無いと思います。

 児童の教育に関する権利は27条の1項にある範囲で認められているはずです。

 間違っていましたら申し訳ございません。


by 摂津国人 at 2009-03-40 19:57:40
間違えました

 児童の教育に関する権利は28条の1項でした。


by apj at 2009-03-27 23:47:27
前提が多すぎます

摂津国人さん、

>支払い能力があるにもかかわらず退学をさせ、
>自力進学に必要な書類などの署名を拒否し、
>他の大人の児童への助力を拒否

 今は1番目だけを問題にしているのであり、2番目と3番目は余計なもので、後の2つを仮定することは議論をミスリードするものだと考えます。


by zorori at 2009-03-27 05:11:27
曖昧な書き方でした。

摂津国人さん、

特に摂津国人さんへの質問というわけではなく、いろんな方のご意見をお聞きしたかったのですが、曖昧な書き方で手間を取らせて申し訳ありません。

私は、対価を払って教育サービス受ける取引におけるゴネ得の問題だと思っていたのですが、そうではなく基本的人権のように国民誰でも受ける権利のある教育を貧困のため受けられないという問題と捉える意見がありました。そして、それは教育の現場をよく知る立場の方の意見であったので、自分の感覚が古いのではないかと思ったわけです。確かに高校義務教育化のような話も聞きますし、進学率は100%近いですし。

さらにまた、貧困ではなくて、養育拒否の親という問題もあるわけですね。違う問題をいっしょくたに議論すると混乱しますので、まず一番大きな問題は何かという事実をはっきりさせるべきかなと思いました。推測で話しても仕方ありませんから。


by 摂津国人 at 2009-03-22 07:27:22
ごめんなさい。

apjさん
 ご指摘いただき申し訳ございません。大げさに書いてしまいました。

 ただ児童は退学してしまえば最悪の場合、社会との接点が失われてしまうために、先ずその時点でのチェックは必要では無いかとは思います。

zororiさん
 勘違いからお騒がせしましてすみませんでした。

 議論の混乱の元の一つとして報道の中の未払いの65人の分母となる生徒数、他に酔うぞさんも書かれていた地域差、全国での調査、時代ごとの変化、それぞれの事情など何もわからないままなので私はこの報道自体がミスリードではないかと疑うくらいです。

 ですので私はゴネ保護者問題への対策のみに限定していました。


by Enzo Romeo at 2009-03-17 04:13:17
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

些細なことですが、「卒業証書」を渡さないより、卒業証明書・調査書(成績証明書)を出さない方がより実効的かと。


by ずぶしろ at 2009-03-05 07:40:05
高校三年生は、

18歳の誕生日がくると条約上の「児童」ではなくなります。
16歳、17歳の時期は、保護期間の終了前に、保護がなくなってもやっていけるように力を蓄えなければならない時期だと思います。保護一辺倒ではその力がつかないのではないでしょうか。その力をつけるのが中等教育の役割のひとつではないでしょうか。自分が受益者本人なのですから、授業料を自分の問題として受けとめる。それを阻んではいけないのではないでしょうか。


by Tamara Scott at 2009-11-27 09:11:27
Megan Rush

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ゴネ得を認めているだけのような


by setusetu at 2009-11-51 17:27:51
Re:ゴネ得を認めているだけのような……

いつもながら粗野で無知なのに、上から目線の偉そうな議論の進め方ですね>apkさん


by Marcia Morales at 2010-08-54 17:42:54
Christi Everett

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ゴネ得を認めているだけのような