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UFO話が……

Posted on 8月 5th, 2005 in 倉庫 by apj

 UFO本読んでます、なんて書いていたのだが、本日受託研究を持ってこられた会社の方と昼食時にお話していたら、「私、UFO見たんです」という話が始まった。よくきいてみると、三角形を切ったような飛行物体にライト(?)が3つついたものがジグザグに飛んでいたとのこと。空力をやっている技術者としては、自分の知識を根底から無視するような飛行物体を見て(認識して?)しまい、しばらくの間非常にショックだったそうな。さらに、誰もそのことを話題にはしていなかったことに、さらにひっかかっておられた。「宇宙人の乗り物とは思ってないし、ソ連かアメリカの機体ではないかとも思うのだが……」と何となく釈然としない様子だった。
 話をきいた限り、形状からすると、F-117とかB-2Aとか、あるいはX-47やX-48みたいな奴らしいんだが、DRFCじゃともかく、そうそう日本上空を気軽に飛ぶとも思えない。
 「情報不足が原因で、unidentifiedのままの飛行物体とされるケースはそれなりにあるようですよ」と補足した。もっとも、unidentifiedのままの飛行物体が多いと国防上問題大有りなのだが。
 他の人たちが誰も騒がなかった理由については「もしかして、しっかりトランスポンダ積んでフライトプラン出してたんじゃないですか」と、突っ込んだというか何というか。つまり書類が整っていれば飛行原理の詳細を現実に検査されることはないだろうという話。似たような飛行物体がベルギーでは空軍に追跡された理由は、手続きが抜けていたに違いないということになる。空軍としては、正体不明の飛行物体が領空に入ってきたらスクランブルして追っかけないわけないはいかないだろうし。まあ、他に説明のしようがなかったのだが、それにしてもええんかいなこういう答えで……。

追試だったり会議だったり

Posted on 8月 4th, 2005 in 倉庫 by apj

 必修の化学英語Cの追試をやることに。試験でしくじって追試を喰らった経験もあるが、やる側に回ったのは今回が最初。これからはもっとあるだろう。そういえば、私が学部時だが、追試ですごい日程のものがあった。2年次通年の必修科目の追試が、年度がかわった3年次のガイダンスの終わった後に行われるという……。ということは、春休み返上して追試対策しとけという、非常に有り難い取り計らいともいえる(春休みなのにおちおち遊べないとも言えるが)。当時は、成績入力がコンピュータ化されていなくて、紙で管理していたから、結構変則的な追試も可能だったらしい。
 会議の方は、カリキュラムに関するもの。重複しすぎな所なんかを見直そうという話だが、学生時代を振り返るといろいろ引っかかることが。
 とある日は、1日5コマのうち、別々の講義3コマで、水素原子波動関数の変数分離による解法をやる羽目になったのを思い出したりして。重複しすぎどころか、今日は変数分離のために大学に行ったのかよ、という感じ。1日3回もやるとさすがに印象に残るが、よく勉強したのだか効率が悪いんだかいいんだか、どう突っ込んでいいかよくわからない。
 なお、教える側のテキストを読むと見通しが良くなることもある。私が在学した当時は既に故人だったのだが、鈴木康孝先生という優秀な先生がいらしたそうで、物理の教程試案を学内紀要に書いたものが図書館にあった。それを見つけた頃、悩んでいたのが量子力学のちょっと進んだあたりの第2量子化の話。最初に勉強したときの見通しがさっぱりで、さてどうしたものかと思っていたら、「そのネーミングに問題があるのであって、場の量子化は1回だけだよ」と書いてあって、試案と朝永の量子力学で一気に展望が開けて目の前が明るくなったのを覚えている。その日は思い切り興奮して明け方まで朝永と試案を交互に見比べていた。

 まあ、そういう見通しを一気に良くするような教育手順を思いつけばいいのだが、なかなか難しい。前期も終わったので、後期の専門の選択科目をどうするか悩みながら、前期の教養で学生さん達からもらった質問やコメントをウェブに載せるために編集作業をしていたりする。

岩波講座

Posted on 8月 3rd, 2005 in 倉庫 by apj

「岩波講座 物理の世界」が刊行されているのに今頃気付いた。何か、化学の学科に就職してついスルーしてしまっていた。実験屋としては「技法」のカテゴリーに惹かれるものがあるわけだが。生協で見たら、小さめの薄い本で、気軽に読めそうな雰囲気が漂っている。集めようかどうしようか迷うな……。今からだと、月3冊くらいずつ買えば、そのうち既刊のものが揃うか。

低炭水化物ダイエット

Posted on 8月 2nd, 2005 in 倉庫 by apj

 科学リテラシーの講義用メモ。実は、何とかダイエットとか何とか健康法について、「これはどうですか」という質問がたくさん学生さんがから出ていた。「摂取かロリー < 消費カロリー」となるもの以外はどこかにウソがあるか無理がある、と説明しているのだけど。これを知らない学生さんが後期にまた質問を書いてくるかもしれないなあ。

流行の低炭水化物ダイエット、米アトキンズ社が破たん
【ニューヨーク=大塚隆一】炭水化物の摂取を極端におさえるダイエット方式で話題を呼んだ米アトキンズ・ニュートリショナルズ社は1日、経営が破たんしたため破産裁判所に再建手続きを申請したことを明らかにした。
 同社は世界的なベストセラー「新ダイエット革命」などで知られるロバート・アトキンズ氏が1989年に設立。糖質の高い炭水化物に代えて肉やチーズを摂取することを勧め、3~4年前から大きなブームを巻き起こした。昨年初めには、米国人の大人の10人に1人がこのアトキンズ式ダイエットを試みているとされた。
 その後、無理なダイエットの悪影響を指摘する声もあって人気は急降下し、経営状態も悪化していた。
(読売新聞) – 8月2日11時54分更新

寄付したわけだが

Posted on 8月 2nd, 2005 in 倉庫 by apj

 民青同盟の学生さんが来て、原水禁世界大会に参加するので、とカンパを求めてきたので1000円出した。パンフレットをもらってみたが、主義主張の内容は私とは合わない。私は、軍隊があって法によりコントロールするのが普通の国だと思っているので、何が何でも拳法9条をそのままにするという意見には反対である。大体、原水禁と原水協で別れていつまでたっても統一できない人たちが、世界平和を実現できるとどうして確信できるのかが大きな疑問というか、説得力がまるで感じられない。ただ、この手の運動は実際に行って見てくれば、良い点悪い点、その限界がわかることもあるのだろうなと思う。だから、「主義主張の内容では私はあなたたちとは争うことになるよ、ただ、学生時代にいろんなものを見てくるのは勉強になると思うからカンパはするけどね」と言ってから出したのだが、主義主張に賛成で出した人との区別をつけてほしいなあ。

ちょっとだけ作業を進めた

Posted on 8月 1st, 2005 in 倉庫 by apj

 中西氏応援の件、ほんのちょっとだけ進展。とはいっても、レンタルサーバの料金振り込んだだけ。でも、これで、独自ドメインでアクセスできるようにDNSの書き換えをしても良くなった。早速書き換えたので、あと2,3日ほどで新しいドメインが使えるようになるはず。
 コンテンツを可能な限り早急に用意するつもりだが、夜しか作業できないから、全部一度には無理かなあ。予定としては、形を整えたら、打ち合わせをやったメンバーで内容をチェックして、中西氏のイメージを壊さないように調整してから一般公開という手順で、第三回口頭弁論前までには掲示板ともどもオープンにしたいと思っている。

UFO本読んでます

Posted on 8月 1st, 2005 in 倉庫 by apj

 科学リテラシーの講義なんかしてる関係で、「世界はこうしてだまされた」「世界はこうしてだまされたII」高倉克祐著(悠飛社)を読んでいる。扱ってるネタはUFOで、空飛ぶ円盤に誘拐されたとか宇宙人に会ったとか、NASAがアポロプロジェクトの時にUFO(異星人の乗り物)に遭遇したが隠しているとか、まあこの手の伝説や神話の信実がどうであったかを議論している。もちろん、情報不足のため何だか結局分からない飛行物体があることは事実だが、それが宇宙人の乗り物だという話を支持する証拠はこれまでのところ一つもない。
 実は、UFOブームの頃、私は小学生だったので、矢追さんの番組などを見る機会があったはずなんだけど、どういう訳か記憶にない。記憶に残っているのはピンクレディーの歌と、カップ焼きそばのUFOの発売があのころだったかなあ、という程度である。事故で地球帰還ドラマの大スペクタクルを演じてしまった13号のときも、リアルタイムで見た記憶がない。
 ただ、UFO話とあまり触れた記憶がないのは、私の場合に限って言えば、空飛ぶ円盤云々以前に、そもそも星空を見上げる習慣自体が無かったことの方が大きいのかもしれない。
 読んでいて面白いなと思ったのが、初巻の27ページからの記述。

空飛ぶ円盤やそれに乗った宇宙人の存在がいくら否定されても、UFOを信じる人は一向に減らない。それはなぜかというと、現代社会には「非合理性の増幅回路」とでも呼ぶべき構造ができあがっているからだと、私は考えている。つまり、合理的に考えれば存在しえないものが、いくら否定されても再び登場してくる仕組み、非合理的なものが常に再生産される仕組みが存在しているのである。
(中略)
 視聴率の問題から、テレビではUFOの存在を科学的に否定するような番組はつくりづらい。そのため、社会にはUFOの存在を肯定するような情報ばかりが流通するようになる。このような背景がある場合、ある一つのケースについてUFOの存在が否定されても、その人は「この場合にはUFOではなかったかもしれないが、次には本物のUFOを見ることができるかもしれない」と考えてしまう。つまり、一度はUFOが存在しないことを納得しても、すぐにUFOを信ずる立場に戻ってしまうのである。
 このような作用を果たしているのは、テレビをはじめとするマス・メディアだけではない。というよりも、マス・メディアよりも強い影響力をもっているものがある。それはUFOに関する単行本、雑誌、コンタクティーの集会、会誌、各種のセミナーなどである。このような中規模あるいはマイナーなメディアは、規模が小さくなればなるほど、情報が過激になる傾向がある。そして、UFOを信じている人の多くは、何らかの形でこうしたメディアと接触している。その結果、UFOの存在が一度は否定されても、こうしたメディアからの情報に再接触することによって、ふたたびUFO信者に戻っていくわけである。

 UFOを「健康法」や「マイナスイオン」、その他の疑似科学宣伝におきかえても、同じことがいえるのではないだろうか。