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白インゲンダイエットを講義ネタに

Posted on 5月 11th, 2006 in 倉庫 by apj

 雑談掲示板の方にも出したが、白インゲンダイエットで中毒が起きた話を、本日の教養講義の最初にしてみた。出席カードの裏のコメント欄に、母親と熱中して見たけど中毒については知らなかったので帰ったら母親に伝える、と描いてきた学生がいた。
 TVが何でも信用できると思いこんでいるところから考え直してもらわないと身を守れないというのが現実である。特にダイエット系の「○○ダイエット」と銘打ったものに、まともなものは1つもないと思った方が安全だろう。これまでいろんな方法が提案されては消えていった。決定打があればそれが使われ続けて残るはずだが、一つもないということは、これまでに山ほどインチキを積み重ねてきたということに他ならない。5年継続して生き残っている方法があれば試せばよい、という方針に切り替えるだけでも、変なものを踏む可能性はかなり減るのではないか。

“白インゲン症”延べ650人…放送前の試食異常なし

 TBS系の健康情報番組「ぴーかんバディ!」で紹介された白インゲン豆ダイエット法を試みて、激しい下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴えた視聴者が9日夕までに、延べ650人に上ったことがTBSのまとめで分かった。

 いずれも症状は軽く、快方に向かっているが、同局では事態を重視。同日午後のニュース番組で、白インゲン豆を使ったダイエット法について、視聴者に注意を呼びかけた。

 白インゲン豆にはファセオラミンと呼ばれる物質が含まれており、炭水化物と一緒に食べるとダイエット効果があるとされる。

 番組では、フライパンでいった後、粉末にしてご飯にまぶすなどの調理法を紹介。放送前に番組スタッフら十数人で10日以上試食したが、体調に問題はなかったという。

 今回の件について、徳島文理大の勝沼信彦・健康科学研究所長(生化学)は「ファセオラミンを大量に摂取すると、嘔吐や下痢を起こすことがある。危険性があるものをダイエット法として広めるのはどうか」と指摘。TBS広報部では「生豆に含まれる成分が加熱不十分のために残り、胃や腸の粘膜の炎症を引き起こした可能性が高いのではないか。今後、個々のデータを分析し、原因を究明したい」としている。

(2006年5月9日22時43分 読売新聞)