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もうちょっとで部分パクリをやるところだった(汗)

Posted on 9月 14th, 2006 in 倉庫 by apj

 後輩と一緒にやった(後輩の卒研の)仕事を論文にして、ずいぶん前に投稿したんだけど大幅修正で却下されて、その後半年で職場移動などというどたばたに紛れてそのままお蔵入りになっていたヤツを引っ張り出して手直しをしていたのだが……で、集めた参考文献をチェックして……あれ?なんで顔見知りの論文のこの段落とまんま同じ説明が出てるんだ?(大汗)
 私が誰かの論文の議論を使うときは、必ず自分なりにまとめた英文で書くし(まあキーワードになる単語は同じものを使うことが多いが)、文章の方も hogehogeが次のような指摘をした、とか、解析を行った、といったふうにして誰の仕事かはっきりわかるようにした上で、引用文献番号をその文あるいはパラグラフに付けている。いつも気を付けているはずなのに何で?と記憶をたどってみた。その後輩は英文で卒論を書いたのが、その時に同じ手法でやってる論文中のデータ解析の説明をまんまパクっていた。それを知らずに私が後輩の卒論の切り貼りをしながら論文にしていて、手を触れなかった部分に写したところが紛れ込んでいた。折角英語で卒論を書いたのだから、記念にそれを活かした形でまとめて共著で出そう、なんて思ったのが裏目に出た。誰が書いても似たようなことになる有名な式の説明の部分だったので、違和感を持たずに見落としてしまったようだ。
 今にして思えば、リジェクトしてくれたレフェリーに感謝である。もし通ってて、1段落だけ丸写しになってることに後から気付いたら、恥ずかしくて当分研究会やら学会に顔を出せないところだった。しかも、写した先のグループの先生とも馴染みで、その先生からは、私が現職に着任した直後に「学生の実験やらデータ処理のウソや怪しいところを見抜くのが仕事の主な部分だよ」などとアドバイスをもらっていたりする(爆)。測定対象や実験の狙いは当然オリジナルだし、他の手法による測定結果もきちんと引用して内容をふまえて議論しているから、ねつ造とか剽窃ではないが、短いとはいえ式の説明が単語の並びから英文のフレーズまで含めて1段落分同じというのはものすごくカッコ悪い。