Feed

数理の翼講演

Posted on 8月 11th, 2007 in 倉庫 by apj

(ネットに接続している余裕がなかったので今頃アップ……[:困り:])
 午前中に函館に到着。会場は大沼公園の中なので、車で迎えに来てもらった。参加した生徒達はちょうど大沼散策に出ていたので、そちらに向かって合流。さっそく掴まって、マイナスイオンドライヤーを分解したら出てきたという怪しげなシートについて質問された。マイナスイオン自体が未科学で、発生方法の違うものを一緒くたにしている間は科学にはならないよね、ってな話をした。
「そんなインチキなら、このドライヤーは取り締まれないの?」
と訊かれたので、
「どこのメーカーなの?」
と尋ねたら、
「百円均一ショップの中の五百円コーナーで買った」
 ドライヤー単独なら数千円程度、ナノイーイオンのやつは一万円以上している時に(今調べたら、ヘアドライヤーはビックカメラで最安値780円~)、五百円のマイナスイオンドライヤーが百均ショップにあったとして、マイナスイオンのせいで他の製品に比べて著しく優良と消費者が誤認するかね?普通の判断は「他の製品に比べて著しく安物」ではないかい?ってことで、値段の相場から見て何かを期待するような値段じゃないし、公取が動くには難しそうだよねぇ、なんて話をしておいた。
 昼食後講演。前半は研究の話なので、一つの実験だけで全部わかるわけじゃないといったことも含めて、水の低振動数ラマン散乱の話をした。休憩をはさんで、ニセ科学フォーラムでやったのと同じ内容をやった。
 質疑応答で、まわりで変なものを信じてる人がいる、といった相談が出てきた。
 その後、近くのログハウスに移動してバーベキューパーティー。近所の先生や議員さんがボランティアでいろいろ焼いてくださったのでおいしくいただく。
 事実上のセミナー最終日だったので、高校生たちが参加しての感想を一言ずつ述べていくのだが、浮きこぼれの人達は普段は周りと話が合わず、苦労してるんだなあ、というのを感じた。
 入浴タイムの後は夜ゼミ。どうやら私は、「偉い先生」と勘違いされたらしく、別のホテルが予約されていたので、そちらにチェックイン後再び生徒の宿舎の方に移動して合流し、やってきてくれた生徒さんに追加の話をいくつかしたが、残念ながら途中で帰ることに(最終日のゼミはエンドレスなので、OB講師の人のように同じ宿舎に泊まれば最後まで参加可能だったんだけど……)。

 数理の翼の活動を始めたのは、フィールズ賞の廣中平祐先生だそうで、会場にも来ておられた。私が高校生の頃は、フィールズ賞の話が伝わり、マスコミへの露出度も上がっていた時で、当時の私や友人にとってはまさに雲の上の人で一種のヒーローだった。まさか、その時は、自分が廣中先生の前で講演することになるなどとは思ってもみなかった。話によると、フィールズ賞で世間で有名になっていたその頃から、教育活動をどうするか考えておられたということだった。

 日程の都合で最後の講義に間に合うようにしか会場入りできなかったが、ゼミ自体は週明けからあって、呼ばれている講師の先生を見ると、「こりゃ私も話を聞きたかった」と思う先生がずらずらと……。で、やっぱり、高校の頃、友達と話題にしていた数学者のピーター・フランクルさんも呼ばれていた(こちらは、当時の仲間うちではアイドル数学者という位置づけだった。)。数学の話のフォローは難しいとしても、語学学習の秘訣については聞いてみたかったなぁ……。

 参加者の活動としては、知り合いを作るというのも大事で、名刺交換というのが企画されていた。高校生達は手作りの名刺を持ってきて、生徒同士、生徒とスタッフや先生同士で交換をしていた。透明名刺を増刷して持っていったので、高校生ウケが良かった^^;)。講演の時は当然水分子ループタイ付けてたので、そっちも高校生ウケした。

放送大学講義終了

Posted on 8月 10th, 2007 in 倉庫 by apj

 放送大学の講義、2コマで全部終了。年配の方(=私より年上)も若い方も、みなさん、熱心に聴講してくださった。難易度が一番気がかりだったが、仕事をいただいたきっかけが、普段やっている共通教育のシラバスを見て、ということだったので、山形大でやっている内容が期待されていると判断し、同じ内容をやった。共通教育では、毎回最初に学生のコメントへの返事を紹介したりするので、新しい内容をやれる時間はその分短くなる。今回は、その分が無かったので、12回分の内容(共通教育15回のうち1コマは登録と説明、ちょっとエクストラな話題を2回分用意しているが、本題とは多少はずれるので、メインテーマの分を選んだ)のプリントを配り、2日で終えた。最後の30分に簡単な感想文をレポートとして出してもらい、合否判定して終了。

 で、数理の翼の講演が明日なので、函館に向かった……はよいが、北斗星の人気が高すぎてとれなかったので、今晩は青森までしかたどりつけないのだった。
 明日会う予定の高校生達は、高校生をしていた時の私より、遙かに優秀な人達である。落ちこぼれじゃなく浮きこぼれと呼ぶのだそうで、数理方面のセンスが良すぎて、高校の授業じゃ物足りないは、クラスの友達とも既に話が合わないは、という状態になっているらしい。そういう若者に、易しすぎる講義をしたら失礼になりそうなので、研究の話をきちんとする予定。ただ、オーダーが、半分は研究の話、残り半分はニセ科学の話、となっているので、後半は、ニセフォーラムでやった話題を一部入れてみる。

放送大学初日

Posted on 8月 9th, 2007 in 倉庫 by apj

 放送大学の面接授業の初日を済ませてきた。10:00から、17:55まで、休憩はあるけど喋りっぱなしで声がかれてきたし咽が痛い。
 一日中声を張り上げて、動き回る子供の相手をして平気な小学校の先生って凄いと思う。大学の先生はその点弱っちいかも。単に私が弱っちいだけかも。

前期共通教育レポート採点基準

Posted on 8月 8th, 2007 in 倉庫 by apj

 200通近いレポートを並べ替えて採点に入ったわけだが、採点基準をメモしておく(いずれwikiの方に移す予定)。出した課題は次の通り。「食卓の安全学」は、教科書指定した本である。

講義資料で取り上げた以外の、身近なニセ科学を1つ選び、
1.情報源(雑誌や新聞は記事のコピー、ウェブサイト印刷物、TVやラジオは放映日と番組と内容要約など)を添付し
2.どこがどうおかしいかについて
3.「食卓の安全学」に示された判定基準を適用して議論する
勝手な思いこみによる議論ではなく、教科書の「食卓の安全学」に書かれた調べ方を適用して、具体的に判断の基準をあてはめながら書いてください。

 講義で指摘したことも含めた採点基準は次のようになる。
1.情報源が添付されていること。
2.情報源に出された内容を、判定基準に具体的にあてはめていること。(適用して議論、を要求したので)
3.他の情報と比較検討する形で書いた場合は、批判的な情報・肯定的な情報ともに複数のソースにあたっていること。(Wikipediaしか見ない、批判派のサイトでも1つしか見ない、というのはダメ。)題材として取り上げた情報源1つについて、食卓の安全学の基準を具体的にあてはめて判定、という場合は、取り上げた題材1つでよい。限られた情報しかないという条件でどう判定するか、ということも大事なので。
4.引用と自分の意見の区別がついていること。
5.全体として矛盾が無いこと。
 ただ、良いレポートと悪いレポートの実例までは出していなかったので、その部分については多少学生さんに有利に判定することにする。
 すると、

基本点=一律50点とし、
(パターン1)
1.ができている +10点
2.ができている +30点(当てはめがあれば、他に余計なことが書いてあってもそれは無視して評価、部分点を考慮するが、題材によっても差があるので、3つから4つ程度当てはめていればこの項目は満点でいいだろう)
5.ができている +10点
(パターン2、言われたことに完全に答えていない場合)
1.ができている +10点
2.の代わりに3.をやってしまった +10点 (ソースが単数の場合は5点)
  さらに4.ができている +5点
3.、4.が十分であった場合に限り、5.ができているかどうかを評価 +5点
番外:blogや他サイトの丸写しが発覚した場合は問答無用で不可(事前告知済み)。

のように加点すれば、手抜きか、単なる感想文レベルか、ツギハギレベルか、きちんと本の内容を理解した上で判断方法を身につけ人に説明できるところまで考えたかを識別できそうである。しかも、判定がきつすぎて一般向け共通なのに落としまくるということにはならないだろう。この基準だと感想文のみのものは不可、一応調べたが不十分なのはC判定でぎりぎりで通る、あとはきちんとやっていればいるほど高得点になる。工学部や農学部の学生に比べ、人文系の理科知識が少ない学生が一律に不利になることもないはずである。(一応、一般、に分類される科目なので、特定分野の知識を前提にはしていないので)。また、要件を満たしているかどうかを判定基準に立てておけば、私の主観や趣味といったものが判定に紛れ込むことを可能な限り無くせるはずである。

口止め料なんていうからいけなかったのでは……

Posted on 8月 8th, 2007 in 倉庫 by apj

Yahooニュースの毎日新聞の記事より。

<口止め料>小学校教諭、給食注文ミスで児童に100円 津
8月8日14時20分配信 毎日新聞

 津市内の公立小学校で7月、4年生を担任する50代の男性教諭が、給食のおかずを選択できる「リザーブ給食」でおかずの数を間違えて注文し、児童7人に「誰にも言わないように」と100円ずつ渡していたことが8日、分かった。
 津市教委学校教育課によると、教諭は7月13日にあった「うなぎのかば焼き」か「トンカツ」を選択できる「リザーブ給食」で、担当する児童32人に事前に希望を聞いた際、おかずの数を取り違えて注文した。希望に反して「うなぎのかば焼き」を食べることになった児童のうち給食に手をつけなかった7人を後で呼び、自分の財布から100円ずつ渡したという。
 帰宅した児童から話を聞いた保護者が学校に問い合わせて発覚した。学校は当日と翌日にかけて、教諭の担当クラス全員の保護者を訪問して謝罪し、同16日に学級保護者会を開いて説明した。校長の事情聴取に対して、教諭は反省を示し、おかず代を返す意味合いもあったと説明しているという。
 同課は「不適切な指導で、子どもや保護者に迷惑をかけ申し訳ない。教諭の処分は早急に検討する」と話している。【高木香奈】

 小学生相手でも口止め料に100円はいかにもしょぼいし、第一、「口止め料」などというと聞こえが良くないわな。最初から「おかず代+慰謝料」と主張して500円位を渡しておけば良かったような……。ついでに、民法709条の解説でもして、「世間というものはこうなっとる」と講釈垂れれば、教師としては完璧だったんじゃないかと。

追試終わった……そしてちょっと趣味の方で嬉しい話題

Posted on 8月 7th, 2007 in 倉庫 by apj

 本日、追試を2つ終了。追試でもっと通る人が多いと思っていたのに、通る人は1回目に通ってしまったらしく、3人しか合格者が増えなかった……。ただ、1回目に通って点数を上げようとした人で、逆に点数が下がった人(ただし、成績判定では最も良かったものを採用するので、学生さんに有利な条件にしている)も出た。難易度は合わせているつもりだが難しいな。これはレポート課題か何かを出して、難易度調整できる余地を作るべきか……。とにかく、判定表やら講評やらを書いていたら日が変わってしまった。

 で、疲れたのでちょっと軽い趣味の話題。私にとっては嬉しいニュース。
———(ここから)
永井豪漫画家生活40周年記念Tシャツ販売開始!!
!!$mid1!!
Point.1 豪先生の漫画家生活40周年を記念して企画されたTシャツです。

Point.2 あのアニメ版デビルマンを見事なまでにコミカライズした
ダイナミックプロの第1号アシスタント蛭田充氏による完全プロデュース の下で製作されています。

Point.3 絵柄は全てこのための描き下ろし!!! 当時のタッチを可能な限り再現したここでしか手に入らない一品です。

■絵柄
「キッカイくん」「まろ」「ドジラがゆく他」の3種類。
■色
白、グレー、黒の3種類。
■価格
一律¥3,990―
■購入方法
(株)アイムに電話等で申し込み。
■問い合わせ先
(株)アイム
 〒970-8022 福島県いわき市平下塩字古川57-1
 TEL:0246-35-0067
 FAX:0246-35-0076
※お問い合わせの際は番号等お間違えのないようご注意ください。
———(ここまで)
 豪ちゃんの作品の中でも、結構マニアックな路線を狙って作っている模様。売れ行き好調なら次の企画もあるかもしれない。
 私は、「ハレンチ学園」のコミックス連載がリアルタイムだった世代で、ダイナミックなロボットアニメも欠かせなかったので、まあ、子供の頃の情操の半分は豪ちゃん&ダイナミックに育てられたようなものだったりする(残りの半分は……手塚治虫か?)。いやその、情操の涵養がアニメのデビルマンやらキューティーハニーやらで本当によかったのか?という自分ツッコミは入れたくなるんだが、おかげさまで三つ子の魂何とやらで、永井豪ファンクラブの隅っこの方に居たりするわけで。
 これからまた講義やら講演会やら院試やらで、学生は夏休みでも教員は仕事に終われまくるわけだが、そんな中でまあちょっと息抜きできる情報ではある。
※今回、引用した画像の使用ついては許可が出ているので問題は無い。

クマゼミ

Posted on 8月 6th, 2007 in 倉庫 by apj

asahi.comの記事より。

クマゼミが光ファイバーに産卵 断線被害続出に対策腐心
2007年08月03日

 西日本に多いクマゼミが、木の枝と勘違いして光ファイバーケーブルに産卵し、光ファイバーが断線する被害が相次いでいる。通信業界はケーブルを改良して防衛に乗り出したが、大阪は今年が4年に1度のセミ大発生の年とされる。ハイテクとセミが闘う熱い夏を迎えている。
   
 被害は九州から東海地方まで及び、昨年はNTT西日本で約千件、関西電力系の通信会社ケイ・オプティコムで約200件に上った。光ファイバーの幹線から枝分かれした各家庭への引き込み線で、被害が出ている。

 大阪市立大の沼田英治教授(動物生理学)によると、クマゼミは枯れ枝に産卵する習性があり、引き込み線を枯れ枝だと思い込んでいるようだ。卵を産み付ける産卵管(太さ約1ミリ、長さ1センチ以上)は硬く、光ファイバーの心線(シリカガラス)を覆うポリエチレンに簡単に刺さる。少しずつ移動し、何回も突き刺して産むという。

 被害が注目され始めたのは02年ごろから。家庭向け光ファイバーが普及し始めた時期だ。心線が圧迫されたり折れたりするほか、刺した跡から水が入り込んで断線するケースも。NTT西日本ネットワーク部の浦川幸司主査は「セミが原因だなんて、最初は冗談かと思った」と話す。

 従来の引き込み線は、設置作業がしやすいよう、小さな溝があった。セミはこの溝に産卵管を刺していたため、同社は溝なしタイプを開発。さらに、産卵ピークが過ぎた昨年8月末から、心線の両側に樹脂の防護壁を埋め込んだ改良型を使い始めた。「この夏は効果を見極めたい」と浦川さんは話す。

 ケーブルメーカーのタツタ電線(大阪府東大阪市)は、クマゼミの生息する樹木にケーブルを張って生態を観察。生木を避けて産卵するらしいとわかり、生木の感触に近いポリウレタン製のケーブルを今春から販売し始めた。「屋外での実証実験も重ねた」と同社の安藤明彦・情報通信営業部長は自信を見せる。

 クマゼミの生息域は、温暖化の影響のためか、北上しており、今後、関東地方でも対策が必要になる可能性がある。

 何を基準にしてクマゼミが枯れ枝を判別しているのかが気になる。ポリウレタンで効果があるということは、単純に堅さで区別しているのだろうか。

TBスパム喰らった……orz

Posted on 8月 6th, 2007 in 倉庫 by apj

変なトラックバックスパムを一度に40件ほど喰らったら、Recent Trackbacksのリストが流されてしまい、削除しても戻ってこない……orz。エントリ毎のトラックバックはきちんと保存されているのだけど。
 削除したらTBリストが復帰する仕様になってないのかしら。制作者様に問い合わせてみないと……。

何故そこから出てこないのか

Posted on 8月 5th, 2007 in 倉庫 by apj

 文系白書ブログさんとこのエントリ経由、アンチエイジングの鬼さんとこのこの記事

その日から化粧品というものには注意が必要で、やばいものが入ってそうな化粧品は極力使わないという主義になりました。

 化粧をしない、という選択肢が出てこない時点で、既に誰かに騙されっぱなしで担がれっぱなしに見える件。そんなやばいものなら使わない方がいい、という理性的判断が何故できないのかということの方が、私には興味深い。一体何がそうさせているのか。あとの方まで読むと、天然素材にこだわっておられる様子だけど、大体、「天然」がいいというなら、肌にとっての「天然」とは「余計なものは何も塗りつけない」になることが自明だと思う。

営業しますた

Posted on 8月 4th, 2007 in 倉庫 by apj

 高校生相手の体験入学で、情報センターにみんなを連れて行って、Material Explorerで液体の水のMD計算をするという実習をやった。営業中なので、水のspace fill模型のループタイをしめてインストラクターをやってみた。水分子ループタイ、講演やイベントの時など、仕事でちょくちょく使って重宝している。