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印象操作 in forbes

Posted on 2月 21st, 2006 in 倉庫 by apj

 既に田崎さんのページでも告知があったし、きくちさんのblogでも取りあげられているが、こちらでも。事の経緯は、物理学会のニセ科学シンポジウムについてForbesが取材に来て、田崎さんが応じたところ、間違いを含んだ記事が掲載されたというもの。

【誤】もう容赦できぬ!
【正】容赦できぬって……そもそもニセ科学を糾弾する会ではないんだけど。
【誤】日本物理学会が”ニセ科学”の教科書掲載に蜂起
【正】学会全体で行動を起こしたわけではないし、教科書掲載の事実もない。
【誤】文字を認識する水が道徳の教科書に掲載
【正】道徳の教科書に水伝が出た事実はない。一部の教師(特にTOSS)が道徳の指導のために勝手に水伝の話を使っただけ。

 既に田崎さんがクレームを出し、編集部からはお詫びの電話があり、次号に訂正を掲載することになったとのことである。

 確かに、物理学会 vs. ニセ科学という図式は分かり易いかもしれない。しかし、そういう単純な対立として考えたのでは、ニセ科学をうまく扱うことなどできないだろうというのが私の問題意識である。非科学、未科学、科学に分けたとしても、それぞれグレーゾーンがあり、どう分けるかを考え続けるしかないのではないか。また、科学(技術)スゲエの裏返しで、科学で説明できないことに価値を認めたがる心情が出てくる(にもかかわらず科学に頼ろうとするから話はややこしい)面もあるわけで、単純な対立を煽られても困る。


ここからは旧ブログのコメントです。


by A-WING at 2006-02-13 03:35:13
Re:印象操作 in forbes

結局,Forbes編集部の「見るものにこういう印象を与えたい」という気持ちが,あのような煽り文句を生んだわけで,それって水伝信者のやってることと同じちゃうの?というところが,なんとも皮肉。
Forbes編集部には,激しく自戒して欲しいところですね。


by cubed-l at 2006-02-13 03:55:13
Re:印象操作 in forbes

文中リンクのチルダが全角になっていて告知ページを参照できません。お知らせまで。


by apj at 2006-02-02 05:47:02
Re:印象操作 in forbes

cubed-lさん、
ご指摘ありがとうございます。修正しました。
どうも、半角チルダが入っている文章をsafariでさわって保存すると全角チルダに勝手に変換されてしまうようです。Mozillaだと問題なく編集できます。あと、なぜかこのblogのタグ追加編集ツール、Mozillaなら動くのにSafariじゃだめだったり……。


by きくち at 2006-02-15 08:33:15
Re:印象操作 in forbes

safariのときはチルダのかわりに%7Eを使うとよいです。


by はりがや at 2006-02-57 23:03:57
Re:印象操作 in forbes

つくば学園都市の全然別な分野の知り合い(農学研究者)から
できれば松山の学会にてシンポジウムを聞きたいがそれもでき
ない.それでは,「天羽さんによる物性研究に掲載された論文
が欲しい」と言うことになって,コピーして送ってあげたりし
ました.これも波及効果ですね.w


by apj at 2006-02-32 09:47:32
Re:印象操作 in forbes

 懐かしいですねぇ>物性研究の論文。
「水商売ウォッチングLIVE!」の方ですか?(まさか有光先生の非平衡統計物理の研究会の方?)
 LIVE!が出たのは、きくちさんの力添えによるものです。


by はりがや at 2006-02-02 10:04:02
Re:印象操作 in forbes

>「水商売ウォッチングLIVE!」の方ですか?

はい,こっちのほうです.w


by apj at 2006-02-10 10:03:10
Re:印象操作 in forbes

>>「水商売ウォッチングLIVE!」の方ですか?

>はい,こっちのほうです.w

 ああやっぱり……。なんかその号だけ売れ行きがよくて、3年ちょっと前に聞いたらほとんど完売する勢いだって話でした(汗)。


by apj at 2006-02-54 10:06:54
Re:印象操作 in forbes

 余談ですが、物性研究に掲載した「水商売ウォッチングLIVE!」の元原稿には、「日本システム企画株式会社」「NMRパイプテクター」という、会社名と商品名がまんま出ていました。出版時に伏せ字にしましょうということになったので、どうせなら「墨塗りしました」というのがわかるように黒マジックで手で塗りつぶした原稿をつくるから写真製版してくれないか?と言ってみたのですが、さすがに却下されました。仕方なく、文字のいくつかを■で塗りつぶした原稿を作りました。まじめな学術誌なのに、伏せ字の■が妙に目立っていかがわしさが炸裂しておりましたw。