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UFO極秘プロジェクトと日本自衛隊

Posted on 11月 23rd, 2008 in 倉庫 by apj

 UFO本フリークではないのだが、タイトル通りの本「UFO極秘プロジェクトと日本自衛隊」を見つけて衝動買い。
タイトルから内容は推して知るべしだが、学研のMU BOOKSだから納得、著者は並木伸一郎氏。
 ムーンホークス説を極めて科学的かつ合理的に否定している部分と、それ以外の部分のギャップが楽しい。UFO信者は、「月面に宇宙人が何やらつくっているのがアポロ計画でわかったが、NASAはそれを隠蔽している」という筋書きを信じているから、「アポロは月へ行ってなかった」ということになると大変に困る。だから、ムーンホークス説の否定部分だけがまともで、他は……ということになる。
 目撃系ネタは1970年代の、ブームのころのものがほとんどで、多分、もう既にさんざんこの手の本で出尽くしているんじゃないかと。
 この本では、ロズウェルに墜落したUFOは日本が開発した気球で、空飛ぶ円盤に見えたのは気球本体ではなく乗り込む部分が円盤ぽい形をしていたからで、発見されたとされる宇宙人の正体は特殊訓練を受けた日本人パイロットだ、という話になっている。高空で宇宙線に人体をさらすという人体実験をしていたということになっている。
 著者がどんどん空想をふくらませるもんだから、もはやオリジナルのロズウェル事件との共通点は、何かが落下したという点以外に無くなってしまっている。
 この先、一体どこまで話が変わっていくのか……。できれば奇想天外荒唐無稽な物語に化けさせて、末永く楽しませてももらいたいものである。


ここからは旧ブログのコメントです。


by 温泉カワセミ at 2008-11-39 04:43:39
Re:UFO極秘プロジェクトと日本自衛隊

apjさん、

いや、全く読んでないんで判んないんですが、ロズウェル事件の時って終戦直後で、まだ自衛隊って影も形も無いですよねぇ(笑)
それどころか、旧軍関係者(含む軍需企業)なんか公職追放が一番激しかった時代ですから、普通に近現代史を知ってたら、『有り得ない設定』ですよねぇ。
すばらしい!!

しかし、『日本が開発した気球』って、もしかして大戦中の風船爆弾のことをイメージしてるんですかねぇ?
でも『円盤ぽい形』とか『パイロット』が乗ってるなんてのは、明らかに懸け離れすぎてますしねぇ・・・

ちょっと本屋で探してみるかなぁ。


by apj at 2008-11-09 09:00:09
ロズウェル部分はさすがに自衛隊登場しません

温泉カワセミさん、
 ロズウェル部分は、さすがに自衛隊は登場しませんよ。そのかわり、

・気球は日本軍が開発したものを改良した、改良型フ号気球であった。
・開発には、日本軍の関係者、フ号気球の開発者あるいは731部隊の関係者が関わっていたに違いない。

という展開です。もう素晴らしすぎ。

 ここまでいくと、「ロズウェルに気球の残骸が落下した」という設定だけを借りて、あとはやりたい放題の2次創作っつー趣ですね。


by newKamer at 2008-11-52 23:45:52
Re:UFO極秘プロジェクトと日本自衛隊

> ロズウェルに墜落したUFOは日本が開発した気球で、空飛ぶ円盤に見えたのは気球本体ではなく乗り込む部分が円盤ぽい形をしていたから

 ロズウェルと聞いたら反応せざるを得ないw

 本家ロズウェル事件でも、空飛ぶ円盤とされたのは、気球本体ではなく、気球に吊り下げられたレーダーターゲットです。FBI機密文書(テレタイプ)でも「円盤の形状は六角形で、気球からケーブルで吊り下げられている。」と書かれています。(←そもそも「円盤」じゃないんだけど、それは当時の「空飛ぶ円盤」が「未確認飛行物体」という意味で用いられていたという背景のため。)


by apj at 2008-11-12 07:58:12
確かに……

newKamerさん、

「気球につり下げられていたものが落下した」以外に、話に共通点がない
というのが正確ですね。