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ルルドの泉

Posted on 2月 28th, 2007 in 倉庫 by apj

 ルルドの泉の水輸入代行業者さんのページに対するコメント。

ルルドの泉の奇跡を信じるサイトにしちゃー、こりゃまたえらく邪道ですな。
信じる時にはね、「ゲルマニウムイオン水」だなんて、科学を連想させるものに頼っちゃいかんのです。
科学に根拠を求めるってことは、即ち信心が足りないってことなんですよ。そんな情けない態度では、奇跡なんか期待できません。第一、信仰に客観的根拠を求めるなどという、邪な心こそ最初に罰せられるべきですw

科学はそもそも信仰ではないから、受け入れるために「証拠」が必要なんですね。で、みんなでホントかどうか確認しないといけません。
でもね、信仰するかどうかにあたって証拠を求めたりしちゃいけません。奇跡を起こすのは「信じる心」であって、科学的証拠なんかじゃないんですから。科学などという無粋なものを信仰に持ち込むという行動は、実にヘタレで情けない限りです。

 ということで皆さん、奇跡を信じる方も、そんなの非科学だといってソッポを向く方も、以下を座右の銘としませんか。
それでは、ぜひ、一緒にご唱和ください。

混 ぜ る な 危 険  [:からかう:]

組み合わせの妙

Posted on 2月 27th, 2007 in 倉庫 by apj

 幻影随想さんとこで出ていたネタだが、宇宙研生協がやってくれた。元ネタは大木社長のブログ。
宇宙科学の地を浸食する脅威のニセ科学、電磁波サボテン出現」。キャッチコピーを引用しておく。

ご存じですか?
巷で電磁波を吸収すると言われて話題の
電磁波サボテン
・モコモコした姿が可愛らしいこのサボテン、実はただ者ではありません。
・NASAの調査で電磁波を一番吸収することがわかり、ニューヨーク証券取引所での試験でも効果が確認されたという、いま注目のサボテンなのです。
・パソコンやテレビ、携帯電話、電子レンジなど、私たちの周りには有害な電磁波がたくさん発生しています。健康を考えるあなたのために、電磁波対策のお手伝いをしてくれるサボテンなのです。
・さらにイライラや頭痛などをひき起こす原因の、太陽から出される大気中のプラスイオンをも吸収して、マイナスイオンとして吐き出す事も分かってきました。
・水やりは10日に一回ほどでOK。手間もかからず電磁波を吸収してくれるスグレモノです。パソコンや家電製品を長時間使う方に限らず、インテリアとしてもオススメのインドアプランツです。

 電波天文からX線天文から分光まで、電磁波のプロ集団が居るはずの宇宙研に電磁波サボテン……。よりによってNASAを騙ったニセ科学商品が宇宙研に出現。しかも買ったヤツが居るらしく、数日後に商品の数、増えてるし……。
 向こうの掲示板でもネタになってたが、よりによって宇宙研とは……。

 笑いすぎて涙が止まらん。仕事にならんがな……。

明日のために……

Posted on 2月 24th, 2007 in 倉庫 by apj

 今晩は大学に泊まりでつ。明日、前期日程のため早朝から招集をかけられているんだけど、バスが遅れたらアウトなので。
遠方にお住まいの偉い先生は、大学となりの付属宿泊施設瑞樹荘をとって泊まるので、昨日辺りから完全に満室になっている。私は下っ端の上、金払ってまで泊まるのはちょっとなぁ、なので、研究室にエアマットとシュラフ持ち込みで過ごすことにしている。今年は雪が少ないので自転車で出てきてもいいんだけど、朝起きたら積もってたり凍ってたりすると遅刻が確実になってしまう。まあ、泊まりになるのは冬場に数日だけ(入試関連と卒論修論発表会くらい)だしいいかな、と。
 でも、本来なら土曜日で休みの筈なので、研究室に出てきたけど仕事は休みにして、入手したてのマジンカイザーイタリア語版を鑑賞中。字幕を、イタリア語、ローマ字表記の日本語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語から選べるのだけど、とりあえずイタリア語音声+イタリア語字幕で、聞き取りの訓練開始。ところが、字幕と台詞が完全には合ってないし、出てくるタイミングがずれることもあるので、油断してると違うものを聴くことになって、常に緊張して見ることに。でもまあ、内容の半分以上は字幕通りにガチでネイティブのスピードとアクセントでイタリア語が流れてくるので、耳を鍛えるには結構いい教材ではないかと。極端に難しい単語や言い回しは出てこないし、ヘタなCD付き参考書よりは使えるかも。市販の語学教材は、やっぱり一般にしゃべりが遅いんだよなぁ(東進ブックスの「今すぐ話せるイタリア語」シリーズはネイティブのスピードでやってくれるが、他の本の付録CDは間延びして聞こえる)。とにかく、イタリア語文法ハンドブックと、ポケットプログレッシブ伊和・和伊辞典を見ながら画面にかじりついている。もはやアニメを楽しむって状況ではなくなってる気が……。
 イタリア語で見終わったらドイツ語字幕に切り替えて、久しぶりに第二外国語の復習をしようかな。Wolfgang HohlbeinのOPERATION NAUTILUSのペーパーバックがもうじき揃うはずなので、できれば楽に読みたいし。

「あるある」Natureに登場

Posted on 2月 23rd, 2007 in 倉庫 by apj

向こうの掲示板に投稿された情報。
Japanese TV show admits faking science
David Cyranoski, Nature 445, 804-805 (22 February 2007)
 記事はこちら。うまくすると右側のメニューからpdfがダウンロードできるかも。

 納豆の写真がインパクトありすぎな気が。おいしそうではあるけど。
しかし日本の恥だな>あるある。

健康食品中毒百科

Posted on 2月 22nd, 2007 in 倉庫 by apj

健康商品中毒百科」 内藤裕史著 丸善 ISBN 978-4-621-07840-2 2800円+税
 生協経由で頼んでおいたのが届いたので引き取ってきた。
ゲルマニウムについては、二酸化ゲルマニウムについてまとめられていて

ゲルマニウム中毒で注目すべきことは、症例のほとんどすべてが日本で、健康食品の摂取によって起きたということである。ゲルマニウム中毒という新しい型の重金属中毒について、不幸な事件をきっかけにしてではあったが、日本人が短期間に世界の医学に決定的な貢献をしたことになる。

だそうで。家庭の医学とセットにして1冊手もとに持っていても損はない本ではないかと。

ゴミ箱に入れるの禁止

Posted on 2月 21st, 2007 in 倉庫 by apj

 4年生と修士の研究まとめが一段落したから、結果をCD-Rに焼くことにした。分光器から持ってきた生データ、処理途中の結果、出力した図、論文原稿や発表用スライドまで、1つのフォルダにまとめてもらうことにした。この時、絶対守るべき注意事項として
「ファイルの整理のためにゴミ箱に入れるの禁止」
とした。整理して見栄え良くしようと思っていらないファイルを捨てると、必ず必要なものが捨てた中に混じってるものだってのが経験則の教えるところだし:-p。乱雑になったり重複したりしている分には、後から探せばいいだけだけど、一旦消してしまったら終わりだからねぇ。

化学だけの筈がないorz

Posted on 2月 20th, 2007 in 倉庫 by apj

kikulogより。
 (独)雇用・能力開発機構が作っている子供向けサイト「わたしのしごと館」で、職業として「化学研究者」を選んで関連する本を見ると、「水は答えを知っている」を紹介してくれるというステキな事態に。
 こんなことが化学だけで起きる筈はないよなあ、多分……と思って、職業に物理学研究者を選んで、紹介されている本を見たら、「惑星の暗号」(「神々の指紋」のグラハム・ハンコックだしな……大丈夫か、おい)が登場したり、「UFOあなたは否定できるか」(アマゾンで見た限りどうもデバンキング系ではなさそうな……)、「風船おじさんの調律」(例の、風船で飛んで行方不明になった人の話らしいが、ロマンの意味を激しく間違ってないか?)などなどが……。まともな本も多いんだけど、ときどきビミョーに違うものが混じってる気が。まあ、相対論でコンノケンイチの本が紹介されたりしてないだけマシだと思うしかないのだろうか。

卒研発表会は無事終了

Posted on 2月 19th, 2007 in 倉庫 by apj

 一日かけて卒研発表会は無事終了。学生さん達はみんなよく頑張った。
 ただ、卒研だとやっぱり通ったところしか見えてなかったりするが、それは仕方がない。おそらく、卒研の一番の収穫は、「新しいことを最初からやろうとするとどれだけの時間と労力がかかるのか」「まだよくわからないことを理解するには、どれだけ周辺部分まで調べないといけなくて、それにはどれだけの手間がかかるのか」「それを人に説明するにはどうするのか」といったことを実地に体験できたことじゃないかと思う。学生実験はお仕着せマニュアル通りだけど、卒研で初めてマニュアル通りじゃないことをやったわけで……。社会に出てからもこの経験を活かしてほしい。ってか社会に出たらこんなんばっかりですが、多分。

 私が4年生してたときは、とにかく体を動かして、実験てどんなペースで進むのか・進めるのかを掴んでおきたいと思っていたなぁ。進学するつもりだったので、新規なことはその先いくらでもできるだろうけど、自分のパフォーマンスみたいなものがわからないと、仕事をどう進めたらいいかわからないので……。テーマは磁性薄膜だったけど、別に磁性体の専門家になろうとは思ってなかったから、訓練期間と位置づけていた。その結果はしっかり後で役に立った。何せ修士課程の指導教官は基本的に放置プレイ、博士課程の指導教官はアサッテの方向でテーマをくれたという罠……orz。

活性酸素は必要です

Posted on 2月 18th, 2007 in 倉庫 by apj

 月曜日の卒研発表会対応で、開始が早朝なので前日から大学に出てきた。ウチの4年の発表練習の最後の仕上げもしなければならない。
 留守電にメッセージが入っていたので聴いてみたら、還元水についての質問。何だか困っておられるようなので、こちらから電話を入れてみた。
 日本トリムの還元水について、「万病の元の活性酸素を消去するということだが本当か?」という質問だった。「活性酸素が悪さをすることは確かにあるが、それは病気が原因だったりするわけで、宣伝では原因と結果が逆に伝えられていることがある。また、活性酸素は感染症の原因となる菌を殺すために体内で必要に応じて作られ、必要が無くなれば消される。もし、活性酸素を(体内で)強力に消去する水が本当にあったら、副作用も同時に考えなければならない」といったことを説明し、さらに、「還元水が試験管の中で抗酸化作用を持つことは事実だが、作用は弱い。飲んで効果があるかというと、まず、ほとんど無いと思われる。数十万円の金を払ってまで飲むようなものではない」と説明した。
 少し話をしてみて、やはり情報にたどり着くのが大変なのだということがわかった。広告や健康本に書いてあるからつい信じる、という話も出たので、「言論と表現は自由で出版も自由ですし……」と追加しておいた。
 水商売ウォッチングの方を見て電話してこられたが、書いてある内容だけではよくわからず、しきりに「不勉強で……」と恐縮しておられた。学校の理科とほんの少しの常識を働かせて判断すればよいのですよ、などと言っていたのだが、一旦学校を出てしまうと内容は忘れ去られるのだろうなぁ……。理科の学習内容が、もう少し現実の変な話に抵抗する形で語られるとよいのだろうけれど、目先の暗記とテスト対策だけになってしまうと、関連性まで考えるというところにはなかなかいかないのかもしれない。

 電話が終わって数分して、また電話があって「お支払いどうしましょう?」と言われたのでちょっと驚いた。国立大学法人ですし、この程度のことで料金はいただけません、と返事したのだが……。

 最近、別件でパイウォーターを勧めている人とメールのやりとりがあった。なかなか興味深いし、少し考えることもあったので、学校の理科の範囲できちんと扱うとどうなるかをまとめているところだったりする。

Toast8導入

Posted on 2月 16th, 2007 in 倉庫 by apj

 新バージョンを買うのをケチって、Roxio Toast 6のまま使い続けていたら、G5 Mac+OS10.4.8で動かなくなってしまった。仕方がないので最新版のToast8を導入。無事CD-RやDVD-Rが焼けるようになった。CD-Rに焼いて提出しなければならない原稿を抱えていたりするので、これで安心して作業の続きができる。

 ところで、本日博士前期課程の公聴会も終わり、審査報告書を書いている。これ、主査=指導教員が書くのだけど、内容は大体決まっていて「如何に意味のある研究をきちんとやって成果を出したか」を作文することになる。ほとんど、指導教員が自分の指導の自画自賛をしているような趣が(大汗)。書いていてお尻のあたりが何となくムズムズするんだが、これは私の修行が足りないのか?
 でもまあ、修了者多すぎでどうにもならず、当の院生に審査報告書の草案を書かせてた軽部教授よりはましかぁ……(遠い目)。