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ほほえましいと言っていいのやら……

Posted on 6月 17th, 2008 in 倉庫 by apj

 asahi.comより

「UFOに着陸許可を」
2008年06月17日

  ■市議会一般質問で提案「宇宙に関心、子に夢与える」 甲府の市議
 未確認飛行物体(UFO)に着陸許可を出したらどうか――。開会中の甲府市議会6月定例会で16日、市議が市長ら執行部にこんな「珍質問」をぶつけた。市立東中学校を卒業した土井隆雄・宇宙飛行士の活躍で市内の子どもに宇宙への関心が高まっており、市議いわく、「子どもに夢や希望を与えることができる」というのが質問の狙いだった。
 質問をした市議は保守系会派「新政クラブ」に所属する駒木明氏(71)。一般質問の中で「子どもたちが夢と希望を持てる施策」と題して質問した。子どもの理科離れに危機感を持っているという駒木氏は、市内の防災公園「千塚公園」の名を挙げて、「UFOに着陸許可を出したらどうか」と提案。その上で、「市は子どもたちの夢や希望をどうかなえていくのか」と迫ったが、宮島雅展市長はこれにははっきりとは答えずじまい。閉会後、宮島市長は取材に「夢のあることは楽しいこと。みんなで考えるのも悪くないね」と苦笑していた。

 どこをどう突っ込んだらいいのやら。今時の子供がUFOで夢や希望を持つのかと思ったり、UFOの定義って……と思ったり、エイリアンビークルのつもりなら普通の設定では有無を言わさず勝手に着陸するのがセオリーだろうと思ったり。

九天社が自己破産

Posted on 6月 16th, 2008 in 倉庫 by apj

 既に悪マニさんのところに出ているが、九天社が自己破産した。ここの出版物でお世話になった本に「グーグル八分とは何か」がある。ネット検索をして製品情報を調べるときに、いかにも科学的っぽい肯定的な話ばかり並んでいてもそのまま信用してはいけない、という説明の例として講義でも使わせてもらった。また、昨年末に買った「学位商法」は、大学関係者なら必ず読んでおくべき本である。
 出版でやっていくのが厳しかったのか、それとも、出版した本に関する訴訟費用でもかさんだのか(訴えられたかどうかは私は知らないのでこちらは想像)、ちょっと気になるところではある。

 他の本も今のうちに、と思ったが、既に本やタウンでは注文できない状態になっていた。

将来の自分か(汗)

Posted on 6月 16th, 2008 in 倉庫 by apj

 msn産経ニュースより。

マンガや雑誌に埋もれ、仙台市の男性死亡 地震による可能性
2008.6.16 12:03
 宮城県警は16日、仙台市青葉区の男性会社員(37)が、自宅アパートで数百冊以上のマンガや雑誌などに埋もれて死亡しているのを発見したと発表した。県警では岩手・宮城内陸地震で災害死した可能性もあるとみて死因を調べている。
 調べでは、14日午後9時ごろ、出勤時刻になっても会社に来なかったことを不審に思った同僚が男性宅を訪れ、6畳間で死亡している男性を見つけた。
 調べでは、男性は本を四方に約2メートルの高さに積んだ部屋の真ん中で、本に押しつぶされる形で倒れていた。胸や腹が圧迫されており、同署では本の重さで息ができなくなった可能性があるとみている。

 私自身も、私の近しい友人達(複数形)も、いつこうなってもおかしくない。以前に起きた別の地震の時、割と揺れた地域に居た仲間からの応答が跡絶えてしまい、気をもんでいたら、ぎりぎり人が通れるだけの幅で並べていた本棚が総崩れでどうしようもない状態に陥っていたこともあって、予想通りだったというか。
 この方については不運だし災難だとは思うが、あまり悲惨さを感じないのは、私もいずれこうなりかねないことを何となく実感しているからかもしれない。

「科学的」って一体?

Posted on 6月 15th, 2008 in 倉庫 by apj

 訴訟資料公開。サイトトップはこちら。見所は、原告が前回の弁論で出してきた、マグローブの表示(宣伝のことね)の科学的根拠。甲第33号証から甲第43号証までだが、何が凄いって、

・私が資料をネットで公開するという理由で、測定データのグラフの縦軸と横軸の単位やラベルを隠す(この辺の論理が意味不明)
・迷惑がかかるという理由で、測定者の名前や相談先の大学の先生の名前を隠す(出したら測定者が困るようなデータを裁判所に提出したってこと?)
・実験条件がまるで書いてない(追試されたら困るって意味か?)
・大量に出てきた体験談の個人名を隠すのはわかるとしても、読んで「マグローブの体験談」と特定できないものがいくつも混じっている。体験談中で言及された時期にはまだマグローブを売ってなかっただろー、な内容まで出てくる。

 という怪文書の束だったことが凄い。

 百聞は一見に如かずというか、とにかく「科学的ってすげーなー(棒読み)」な世界が展開しているというか。でもこれって、「製品販売前に備えているべき表示の科学的根拠を出せ」という求釈明によって出てきたものなのだけど。

山形はサクランボの季節

Posted on 6月 14th, 2008 in 倉庫 by apj

 昼間、スーパーに行ったら、サクランボが手頃な値段で売っていた。3種類ほど違う品種のものが並んでいたので、1パックずつ買ってきた。品種の違いを食べ比べて試せるのは、山形在住の楽しみの1つである。ただ、品種による味の違いを文章で表すのは、私には難しくてできないのだけど。

さっき地震があった

Posted on 6月 14th, 2008 in 倉庫 by apj

 山形市南部(自宅)も揺れたが、ゆらゆらという感じで大したことはない。衝撃のようなものは無かった。しかし長い時間揺れていた。
 大学までは6キロほど離れているが、この揺れなら、不安定に積み上げた書類は崩れたりするかもしれないが、普通の分析用装置等が壊れたりする程ではなさそう。振動を嫌う実験をしている人は商売あがったりだったり、特に振動で壊れやすいものについては点検が必要なものもあるかもしれないけど……。
 留守録の知らせがあったから、電話をかけようとしたが、携帯(SoftBank)がまったくつながらない。ってか、普段なら、着信記録と留守録の両方が携帯に出るのに、今回は着信記録の方が無く、留守録のみになっていた。SoftBankのメールは届いている。電話は10分程度で通じるようになった。
 Bフレッツの接続は全く問題無し。Yahooの速報も直ぐに見ることができた。

どういう物性なんだろう?

Posted on 6月 14th, 2008 in 倉庫 by apj

 Yomiuri Onlineの記事より。

水前寺海苔から新物質、1グラムで6リットルの水吸い込む

 わずか1グラムで6リットルもの水を吸い込む新物質を、高級食材として知られる「スイゼンジノリ(水前寺海苔)」から抽出したと、北陸先端科学技術大学院大学(石川県)の研究グループが13日発表した。

 市販の吸水材より吸水能力が5倍も高く、保湿化粧品や傷を覆う医療用品など幅広い応用が期待される。

 水前寺海苔は日本固有の藻類。同大の金子達雄准教授らは、この物質を桜にちなんで「サクラン」と命名した。

 サクランは、砂糖の分子が10万個ほどつながった構造。この長い分子が水の分子を抱え込み、自重の6000倍の水を吸収する。高い保湿性も確認され、吸収した水の3割は80度以上に熱しても蒸発せず、零度以下でも凍らなかった。

 化粧品などに使われているヒアルロン酸は、食塩水だと吸収力が5分の1に落ちるが、サクランは半減する程度だった。

 金子准教授は、食材なので安全性にも問題がない点を強調している。

(2008年6月13日21時17分 読売新聞)

 水を吸った後の物性に興味がある。ヒアルロン酸は、容器をゆっくり傾けると柔らかいゼリー状のような感じだが、激しく振るとほとんど液体のような流動性を示していた。サクランはどんな振る舞いを示すのだろうか。

「事象の地平線」過去ログ倉庫

Posted on 6月 13th, 2008 in 倉庫 by apj

 旧ブログの、「事象の地平線」の過去ログ倉庫を作った。ここのシステムと同じ、pplogp beta 2で管理している。

 過去ログ製作手順は次の通り。
(1)pplog2で作っていたblog全体を新サーバにアップ。
(2)pplog2ini.php内の、旧URLや旧パスを全て新サーバのものに置換。
(3)ファイルとディレクトリのパーミッションを、インストールガイドに合わせて変更。
(4)新サーバのindex.phpにアクセス。不完全な形で表示される。
(5)左側adminメニューをクリック。パスワードを入力。
(6)過去ログのエクスポートを選ぶ。pplog2/log/backup_pplog2.xmlができる。
(7)バックアップ置き場のディレクトリ(今回はehold)を別に作る。
(8)pplogpで、blog作成を実行。置き場所としてeholdを指定。
(9)ehold内に新規のindex.phpができる。
  (10)今回は、たまたまconfigファイルに変な改行コードを入れてしまっていたので、index.php内のURLも改行されてしまってそのままでは動かなくなった。一旦ダウンロードしてエディタで改行を消して、再度アップする。
  (11)pplogp/master/masterblog/blog.php内の、新規製作blogの情報のうち、2番目にURLが書かれる筈の場所がhttp://までで切れてしまうので、新blogのURLを全部記載(1番目に書かれたものと同じにする)。internal server errorが出たが、この修正で回避できた。
(12)backup_pplog2.xmlを、pplogp/backupにコピー
(13)管理画面のウェブログ再選択から、過去ログ用blogを選ぶ。
(14)管理画面から、データ:インポートを実行。自動でpplog2のログだと判断してくれるので、旧blogの内容へのフルパスとフルURLを入力し、実行
(15)インポートされると、pplogp/backup/ackup_pplog2.xmlの名前が、backup_pplog2_end1213363259.xmlのように変わる。さらに、pplogp/mainlog/logの下に、*-****.phpのような名前(*は数字)のファイルができる(最初の数字は、何番目のblogかを意味している)。
(16)サブタイトルやプロフィールを適当に書き直したら、ファイル再作成(再構築)を選ぶ。新blogのディレクトリに、数字.htmlというファイルがたくさんできる。
(17)管理メニューから、設定を選び、コメントとトラックバックを不許可にする。このとき、表示を動的に行うと、既についているコメントまで表示されなくなるので、表示は静的に行うようにする。
 そのかわり、いかにも入力できそうなフィールドが残ってしまった。消す方法がわかったら対処するかも。書き込んでからPOSTが機能しないことを知っても、八つ当たりはしないように。コメントを受け付けない旨トップににも表示してある。

 過去ログ倉庫製作にあたって、ファイルサイズが問題になった。Rocomotionさんの提供するblogは、データベースを使わないため、本文とコメントが長くなっても、何の問題もない。ところが、当初、編集してコンテンツ移動を考えていたGeekLogは、バックエンドにMySQLを使っており、テキストフィールドにつっこめる文字列サイズが65535バイトと決まっている。このため、長いエントリーは分割しないと入力ができないので、不便である。もっと長い文字列を格納できるようにデータベースのスキーマを変更しても大丈夫かという質問がGeekLogのフォーラムにもあったが、回答はなく、ちょっと自分で人柱になる余裕もなかったので、pplogpを使うことにした。
 旧blogの議論のうち、資料的に意味のあるものについては、じっくり選んで記事としてGeekLogの方に移してみようと考えている。

某社の方が営業に来られました

Posted on 6月 13th, 2008 in 倉庫 by apj

 某有名測定器メーカーの方が大学に営業に来られて、研究室で名刺交換した。
 このシチュエーションだと、今年度新しくなったカタログの頒布だとか、営業担当者の交代の挨拶だとか、新開発した製品の案内といった流れになるのが普通である。ところが、今日のはちょっと違っていた。
 営業の方が出したのは、NEDOの研究公募の案内。パンフレットを渡されて、「今年はこんなテーマがあって、研究費の方も科研費よりは一桁金額も高く……」と説明が始まった。
 「要するに、他の予算がカットされて装置が売れなくなったので、大学の先生にNEDOの研究費を取るように薦めないと会社としても困るって話ですね」と思わず本当のことを口走ってしまって、営業の方々と大笑いすることになった。
 大学の予算カットの現状を一番良く知っているのは、大学に実験器具等を納めている業者さんだったりするわけで。

 産官学連携はどこの大学でもやっているが、官の予算を学がとって産に流すために産が学に「プロジェクトに応募してほしい」と営業するというパターンはちょっと斬新だと思ったし、ここまできたか、とも思った。官の予算を産が取るために学が協力、とか、官の予算を産のどこに配分するか決めるために学が官に協力、というパターンはよく見かけるのだけど。

水からエネルギーを……

Posted on 6月 13th, 2008 in 倉庫 by apj

 コメントをいただいたので、エントリーを作っておく。
 ネタは、GIGAZINEのこれ→水から電流を取り出すことを可能にした新しい発電システム「ウォーターエネルギーシステム」を見に行ってきました
 ニセ化学だろうという指摘もある。
 最大限善意に解釈しても、水を利用した蓄電池以上のものではない。
 化学反応でエネルギーを取り出して何かに利用する場合は、不安定な物質の組みあわせ(例:酸素ガスと水素ガス)が反応して、よりエネルギーの低い状態になる(例:水)ときのエネルギー差の一部を利用するしかない。
 エネルギーの低い、より安定な状態からエネルギーを取り出すには、(1)もっとエネルギーの低い別のものに変化させるか、(2)別の方法で予めエネルギーを与えて不安定な状態にし、うまくその状態をコントロールしながら、より低いエネルギーの状態に戻る時のエネルギー差を利用する、という方法しかない。出発点が水の場合、特に水しか使わないと主張している状況では、(1)は考えにくい。であるならば、いかに宣伝文句で飾り立てたとしても実態は(2)だろうということになる。
 ところで、化学反応の過程でも物理的な過程でも、余計な過程を挟めば、エネルギーの変換効率が100%では無い以上、必ずロスが生じる。つまり、元のエネルギーをなるたけそのまま利用するのが最も効率が良く、途中で変換すると、どうやったってエネルギー的には損をする。
 元のエネルギーのあり方を変えるのであれば、損をした分を上回るメリット(貯蔵のしやすさや取り扱いの容易さといったもの)が無い限り、意味がない。
 触媒の役割は、反応のエネルギー障壁を下げる意味しかない。放っておいても、エネルギー状態が高→低になるように反応が進むはずのところ、途中の障壁のために反応が進まない時に、触媒を使えば、壁の高さが減って、うまく反応が進むようになる。あるいは、外からエネルギーを与えて、エネルギー状態が低→高、の反応をさせるときに、障壁が高いと、最初と最後のエネルギー差よりも大きなエネルギーが必要になる。触媒があれば、障壁の高さが減るので、反応のために外から投入するエネルギーが、最初と最後のエネルギー差に近付く。触媒が勝手にエネルギーを発生するわけではない(当たり前だけど、触媒は永久機関ではない)。

 この手の話は、元々のエネルギーがどこにあるかが要注意である。材料として使った物質の形で蓄えられているかもしれないし、触媒といいつつ外から光や電気のエネルギーを与えたりしていないかもチェックが必要である。